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編著者: A. Osawa(大澤晃、京大), O.A. Zyryanova, Y. Matsuura(松浦陽次郎), T. Kajimoto(梶本卓也), R.W. Wein
(他の森林総合研究所 執筆者:中井裕一郎、大丸裕武、森下智陽、森茂太)
シベリアの永久凍土地帯には、落葉針葉樹のグメリニカラマツ(Larix gmelinii)が優占するタイガ(亜寒帯林)が広がっています。この落葉タイガは、面積では世界の亜寒帯林の約20%も占めていますが、アクセスが困難なことなどもあって、最近まで生態学的研究が十分行われていない空白域として残されてきました。
本書は、こうしたシベリアの落葉タイガについて、森林総合研究所や大学・研究機関(京大、北大、信州大、国立環境研ほか)とロシア(スカチェフ森林研究所)の研究者らが、これまで長年行ってきた共同研究の成果を中心にまとめたものです。植生や地形・気候の概要とともに、グメリニカラマツの成長や光合成・呼吸など生理的特性、山火事後の林分発達様式、土壌の物理・養分環境、生態系レベルの水収支や炭素循環過程、さらに温暖化に伴う植生変化の予測モデルや北米の常緑タイガとの比較など、さまざまな研究内容が幅広く網羅されています。シベリアの森林とともに亜寒帯林の生態を理解する上で、またとない参考書となっています。
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