更新日:2013年10月4日

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第11回エンカレッジ推進セミナー 

親が元気なうちに学んでおきたい介護の知恵

  • 2012年6月1日(金曜日)13時15分~15時
  • 場所:森林総合研究所・本所2階大会議室 (支所等へTV会議中継)
  • 講師:太田差惠子氏(介護・暮らしジャーナ リスト、NPO法人パオッコ理事長、AFP(日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員)

    いまは元気な親。
       介護が必要になる日がくるって、想像したくないかもしれません。
       でも、ある日、それは現実に。慌てないよう、事前に学んでおきたい知恵を伝授していただきました。

   このセミナーはTV会議にして支所等に中継し、170名の参加がありました。

   ◆ポスター(PDF:420KB)(所内情報)

プログラム

      1.   福田隆政理事開会挨拶

      2.   太田差惠子氏講演

           太田差恵子氏


     【概要】
       男女共同参画の一環として、これから今以上に大きな問題となりうる「介護」について、多くの方に実感していただくため、介護に精通される専門家として太田先生をお呼びし、事例を交え講演いただきました。
       太田先生は、京都市生まれ。高齢化社会においての「暮らし」と「高齢者支援」の2つの視点から新しい切り口で新聞・雑誌などでコラム執筆、講演活動等を行われています。また、厚生労働省「安心と希望の介護ビジョン会議」メンバー(2008)、国土交通省「都市再生・住宅セーフティネットのあり方に関する検討会」委員も経験され、幅広く活動されています。
       まず、漫画サザエさんを一例に、過去と現在の高齢者事情を説明されました。サザエさんができて60年経ち、漫画で描かれている時代と現在社会では高齢者のイメージが大きく変化してきた。大正~昭和初期の出生児で50歳を迎える人は約半数、80歳を迎える人は1割に満たなかった。平均寿命は昭和22年には男性50.1歳、女性54.0歳で欧米先進国より15年短く、また、昭和40年代半ばで男性70歳、女性75歳であり、やっと欧米先進国の水準に並んだ。平均寿命から見ると、一昔前までは介護する前に亡くなられ、介護するとしても長期化することはなかったといえる。しかし、現在は平均寿命も延びており喜ばしいことであるが、高度経済成長以降に核家族化が問題となり、サザエさん一家のように一致団結して両親を助けることができない難しい社会となっている。今後は、親以外に叔父・叔母まで面倒を見ることとなるかもしれない。近所づきあい等地域を頼ることも難しい状況となっている状況をお話しされました。
       次に、東京で暮らす50歳男性・H.Tさんと鳥取県米子市の実家にすむ両親とを事例として、両親と仕事との関係をお話しいただきました。父親は83歳、要介護2、母親は76歳、心臓で障害者登録している。実家の近くに姉が住んでいるが仕事をもち、しょっちゅう様子を見に行けるわけでもなく、また、両親との心のすれ違いも多く、そのたびにH.Tさんが仲裁に入ることとなり、神経をすり減らしている。また、両親は米子市以外で住んだこともなく、友人・親類も米子市近辺に居られ東京へ呼ぶことができないし、東京の自宅を離れUターンしたとしても住宅ローンを払い続けられるだけの収入を得られる見込みが無く、自分の家族の将来のあり方を考えるとUターンという選択ができない状況である。という切羽詰まった内容でした。

       この事例をもとに太田先生は、次の用語についての説明をされました。

  • 遠距離介護の「遠距離」とは、物理的な距離ではない。様々な理由で日常的に会いに行くことが困難な別居子が老親を見守ったり、あるいは老親の心身状態の悪化した場合にその後ろだてになって日常生活を補佐したりする状態が「遠距離」の介護である。
  • 「介護」とは入浴、排泄、食事などの日常生活に支障がある者を直接サポートすることであり、それに対し「遠距離介護」はそばに居ないから直接介護はできない状況である。
  • 「老親への遠距離介護」でなされることは、別居子が老後の生活を気がかりに思い、話し相手になるなどの情報支援、状況把握をすること、日常の家事支援などを行うこと、別居子が老後に対して経済的支援を行うこと。また、別居子が老後の後ろだてになって支援・介護する代役を探し、そのことについて親に情報提供すること、サービスや治療法などの契約/決断代行を行うこと、成年後見人制度により、老親の財産管理を行うことである。親とよく話をすることは重要である。また、介護について最悪のシナリオを想定することはかまわないが、あまり考えすぎないことであるとのことでした。
      先生曰く「便りがないのは元気な証拠」とは大学生くらいまでの若者に対してであり、老親には当てはめないことでした。
  • 介護休業制度とは、「自分で親などを介護するための休業」「子育てのための育児休業と同様」とは間違った認識であり、正しくは「緊急対応のための介護を担う」「仕事と介護の両立のための準備(社内の仕事と介護の両立支援策の確認、介護認定の申請、介護施設の見学など)を行うための期間」である。
    との見解を示されました。

      最後に、太田先生は次のようにまとめられました。
      現在介護により1年で14万人以上が離職しているそうです。離職せず介護を行うには職場へ介護の状況を説明し、理解を得ることが重要です。
      ★介護に必要なのは戦略。
          いざ「介護となると、どうすればよいか」と言いますと、次の各項目に対し戦略を組むことから始めます。 

  1.  家族やケアマネジャー等専門家により役割分担の「チームを組む」。いわゆる横の繋がりを構築することである。
  2.  これからの生活等の構想「ビジョンを練る」。かかりつけの病院・診療科、服用薬、友人、ゴミ回収場所、趣味やサークル等、親のことを知ることが重要である。
  3.  介護に関する「情報収集」。各地域には地域包括支援センターが設置されており、そこで主任ケアマネジャー・社会福祉士・保健師などの情報や、介護保険・  自治体独自・地域NPOやボランティア団体・民間の各サービスを知る。
  4.  親の資産・負債を把握し「介護資金をプラン」する。介護にかかる資金は親のお金でプランニングする。単に親のお金を狙っていると思われないように、常に親と対話することが重要である。
  5.  各戦略に優先順位を付け、「時間を調整」を行う。
            と言いつつ「いざ」となるとなかなか思いつかないものです。

   以上講演内容の報告です。
   また、スライドとして我が国の高齢化率(65歳以上の占める割合)は、
      2009年で22.7%であるが、2035年では33.7%(3人に1人)、2055年では40.5%(2.5人に1人、また4人に1人が75歳以上)といわれています。
   平均寿命が延び、少子化が進むと、必然的に高齢者割合が増加する。増えれば増えるほど介護を必要とする割合も高くなるというデータを提供頂きました。

      【感想として】
      今はまだ楽観的に見ていても、
      ・親が介護状態になったらどうしよう??
      ・これから自分が高齢となり、介護が必要となった場合、いったい介護してくれる現役世代はどれくらい居るのだろう??
      身近にいつ「介護」がやってくるかわかりません。今回は介護について考える良い機会となりました。
                                                                                                                                                                                               総務課・人事係、男女共同参画室併任 清水達也:記

      ◆当日の録画はこちらから(所内情報)◆

      ◆当日の資料(所内情報)◆
    

       3.   質疑応答
            介護に取り組みやすい職場環境改善についてや、延命治療の質問がなされて、先生からお答えいただきました。


      4.   森林総合研究所介護に便利な制度・支援策の紹介
                                            男女共同参画室長 古澤仁美

          
           ◆会場の様子◆
          福田理事   太田先生   会場の様子 

         会場の様子  古澤室長   会場の様子

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