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ホーム > 研究紹介 > イベント > 1996~2010年イベント・セミナー一覧 > 平成10年度森林総合研究所関西支所研究発表会

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平成10年度森林総合研究所関西支所研究発表会

来る10月16日,京都市呉竹文化センターにて,以下の要領で森林総合研究所関西支所研究成果発表会を行います.これは,私どもの研究所における研究成果を広く一般の方々にも知っていただくための催しで,毎年行っているものです.どなたでもお越しいただけます(入場無料).

なお,駐車場はありませんので,お車でのご来場はご遠慮下さい

  • 日時:平成10年10月16日(金曜日),午前10時~12時
  • 場所:京都市呉竹文化センター(近鉄・京阪丹波橋駅下車すぐ,地図(JPG:37KB)参照)

プログラム

 

ランドスケープの変化-里山における自然・人間生態系の変化,ランドスケープとは何か?-

風致林管理研究室深町加津枝

高度成長期以降,農村と森林との接点を取り巻く里山では,経済・社会構造が大きく変化し,それとともに自然とその人間による利用の総体としてのランドスケープも変化した。このような変化を理解するうえでは,最近注目を浴びているランドスケープエコロジーの手法,すなわちランドスケープレベルでのアプローチが有効である。ここでは,まず「ランドスケープとは何か?」という解説を行い,それを踏まえて丹後半島の山間部でのケーススタディを紹介する。丹後半島の例では,ランドスケープが大きく変化する直前である1970年と今日との比較から,ランドスケープの構成要素と多様性の変化を明らかにし,ランドスケープ研究における今後の課題について述べる。

森林からの有機物の流出特性

土壌研究室金子真司

琵琶湖北湖は容積にして湖全体の99%を占めている。北湖はこれまで良好な水質を保ってきたが,近年COD(化学的酸素要求量)値が増加傾向にあり,有機汚濁が進行しつつあるものとみられる。北湖の集水域の約半分は森林が占めていることから,有機物の供給源として森林は重要な役割を果たしており,湖の汚濁に関係している可能性も考えられる。しかし,森林から流出する有機物に関してはこれまでほとんど調査されたことがなく,基礎的なデータさえも把握されてない。そこで,北湖周辺の森林小流域に観測地を定めて,有機物流出の調査を行い,その流出の特性を明らかにした。

特別講演国産材の「地域完結型加工利用システム」について

森林総合研究所 木材利用部 木材特性科長西村勝美

国内林業・国産材の失地回復には,まずもって地域の国産材産業が経営的に維持でき,それが将来的に拡大再生産が可能になるような構造を地域単位でつくり出していくことが重要になろう。それには,当面,現状や近い将来で取り組みが可能な地域材を対象にして,経済合理性が追求できるような加工利用システムを構築していくことが必要になる。報告者は,このシステムを「地域完結型」と称している。報告では地域材の地域内循環を基礎においた地域材の加工利用のあり方と地域システム構築に向けた条件整備の課題について述べ,合わせてこのようなシステムの実現で,報告者が関与している地域の取り組み事例を紹介することにしたい。