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森林総合研究所関西支所年報第34号

平成4年度

関西支所庁舎正面

まえがき

技術の総合化・体系化とそれに応ずる研究の必要性は、ずいぶん以前から提起されてきた。林業試験所が森林総合研究所となった昭和63年の組織改正の時にも、当時の早稲田東北支場長から「個々の研究をつなぎ合わせる湖の研究体制が必要である」との提案があった。この頃、私も情報に、個々の技術を体系化するために「システム化の手法・研究が大切になってくるというわけである。せっかく育てた味のいい野菜(個別研究)を、お客さまに美味しく食べていただくためには、いくつかの材料を上手にあわせる、料理方法(システム化)の研究にまで発展させる必要があるだろう」と書いたこともあり、大いに期待したところだが、残念ながら議論の対象にはされなかった。

昔語りをお許しいただければ、この想いは、昭和37年の長期委託研修に発している。まだ経営部に所属していた作業研究室で、辻主任研究官のお世話になり、名古屋営林局に帰局する時、「研究の総合化・技術の体系化を狙いとするシステム研究の分野ができれば、ぜひ呼んでいただきたい」と挨拶してきたことがある。昭和62年に機械化部、昭和63年からは生産技術部を担当することになって、なんとか自分の手でと、想いを募らせてきた。しかし、どのように研究を進めればいいか、方法論の模索ばかりが続いた。農業サイドの研究担当者にも聞いてみた。「この分野は、なかなか結果をだせない、論文にしにくいので、研究者が集まらない」と同じ苦労のようである。それではと、三菱総合研究所にお願いして、システム工学の勉強会から始めることにした

ところが、関西支所に来て”緑資源の総合評価による最適配置手法の確立に関する研究”のプロジェクトを始めてみると、そこにシステム工学の手法が、確実に息づいているのを見た。青い鳥は身近にいたのである。”緑資源”の研究はまだ業半ばであり、このテーマに関してどれほどの成果を得られるかは未定であるが、森林・林業研究におけるシステム工学の有効性は明らかである。

われわれの研究対象である、林業、森林、地域環境は、複雑巨大なシステムである。ここには、部分技術、個別知識の著積ではどうにも解決つかない問題が提起されている。システム工学的なアプローチが欠かせない。幸い、わが森林総合研究所は、国際応用システム研究所から招待講演を依頼されるような、優れた専門家を擁している。機関の名に相応しい森林総合研究の成果を挙げるためには、システム工学の専門家の養成と、組織の確立が急務である。これを自信を持って提起できるようになったこと、これが、関西支所の総力を挙げて取り組んだ”緑資源”プロジェクトの貴重な副産物である

平成5年9月

森林総合研究所関西支所長

目次

1.平成4年度関西支所研究課題一覧表(PDF:187KB)

2.試験研究の概要(PDF:970KB)

3.主要な研究成果(PDF:1,086KB)

4.研究資料(PDF:321KB)

  1. 北山林業地域の土壌pH
  2. 六万山および滝谷スギ収穫試験地の林分構造と成長

5.関西支所研究発表会記録(PDF:121KB)

6.試験研究発表題名,組織,情報,その他(PDF:730KB)

  1. 試験研究発表題名一覧表
  2. 組織,情報,その他

一括版のpdfファイルはこちらです。年報第34号(平成4年度)(PDF:3,720KB)

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