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ホーム > 研究紹介 > 関西支所刊行物 > 森林総合研究所関西支所年報第52号

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更新日:2014年3月17日

森林総合研究所関西支所年報第52号

平成23年版

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左写真:ナラ枯れの被害を受けた森林(滋賀県大津市) 右写真:カシノナガキクイムシ(メス)の走査電子顕微鏡写真

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2011年は、2006年の国連総会で決議した「国際森林年(the International Year of Forests)」です。テーマは「人々のための森林」で、世界の人々の森林に対する理解と森林への関わりを持ってもらうことを促すものです。森 林総合研究所では、国内テーマ「森林を歩こう」やサブテーマ「未来に向かって日本の森を活かそう!」のもと、次世代に引き継ぐ豊かな森林(もり)づくりや暮らしの中に木を取り入れることを進めるための研究開発の推進や様々な催しを開催します。

まえがき

新たな「食料・農業・農村基本計画」を受け、新たな「農林水産研究基本計画」が平成22年3月30日に農林水産技術会議で策定されました。本研究基本計画では、農林水産業の持てる機能を最大限に発揮しつつ、資源、環境、エネルギー等の地球規模での課題の解決に貢献する「グリーン・イノベーション」の推進等に必要な革新的研究開発を、産学官の連携を図りつつ進めることとしています。地域資源活用研究には、森林整備と林業・木材産業の持続的発展が位置づけられています。また、環境応答・生物間相互作用機構の解明、農林水産生態系の構造とメカニズムの解明などがシーズ創出研究の項目にあげられています。
「森林・林業再生プラン(平成21年12月25日)」では、「森林の有する多面的機能の持続的発揮、林業・木材産業の地域資源創造型産業への再生、木材利用・エネルギー利用拡大による森林・林業の低炭素社会への貢献」を3つの基本理念としています。平成22年11月には、本プランを推進していくための具体的な方向性が「森林・林業の再生に向けた改革の姿」にとりまとめられました。政策ニーズに対応した研究・技術開発の重点課題の記述には、面的なまとまりをもった森林経営の確立、施業技術の高度化等があります。このような情勢では、近畿中国地方の林業再生に向けて、当面の必然的な選択としてなされている施業の団地化・高密度路網の整備・高性能機械の導入促進による効率的な低コスト木材生産の施策が進むなかで、日本の林業・木材産業を支える研究所として将来を見越した技術開発に取り組む必要があると考え、支所内で研究プロジェクトの準備を進めてきました。
平成22年度は森林総合研究所の第2期中期計画の最終年度であるために、所内では多くの研究プロジェクトと全ての実行課題が取り纏めの年度でした。そのような中で、関西支所の主要な研究プロジェクト「現代版里山維持(H21~25)」は開始2 年目で、順調に進展しました。
初夏には、『「ナラ枯れ」御苑でも(京都新聞6月16日夕刊1面)』や『ナラ枯れ「紅葉」猛暑で深刻化延焼防止へ割木2 割減(京都新聞8月11日夕刊10面)』などの新聞報道に現れているように、京都東山のナラ枯れの被害拡大が一般市民の関心を集めました。これに対応して、関西支所の既往の研究成果をとりまとめたパンフレット類「ナラ枯れの被害をどう減らすか-里山林を守るために-」や「里山に入る前に考えること-行政およびボランティア等による整備活動のために-」に対する要望が多く寄せられました。
三重大学との連携大学院構想では、平成19年12月6日の第1回打合せ以降、足かけ5年間にわたる作業の末、平成23年3月24日に教育研究に係わる連携・協力に関する協定書を締結することができました。三重大学大学院生物資源学研究科の資質の向上を図り、相互の研究交流を促進し、もって農林水産業に関する学術及び科学技術の発展に寄与することを目的として掲げています。関西支所では、生物資源学研究科長との間で協定に関する覚書を平成23 年4 月1 日に取り交わす運びとなりました。それに先立ち、3月には三重大学において、特別連携シンポジウム「自然共生学の展望-森林の生物多様性と里山の保全戦略-」を開催し、支所の教員候補者3 名と三重大学教官2名が講演しました。続けて、三重大学の教職員と学生6名が関西支所を見学し、平成23年度の大学院入試に向け、着実に実施に向けた準備を進めてきました。
今年度の公開講演会は「森林(もり)の時間、社会の時間」のテーマで、12月9日(木曜日)龍谷大学アバンティ響都ホールで開催しました。「森林と施業 - 80年に及ぶ人工林の長期モニタリング-」、「森林と地域 -沖縄やんばるの森と地域の歴史的関わり-」、「森林と投資 -日本国内で見られる最近の動き-」、「森林と産業 -日本と世界の経験から考える-」の4つの講演で、前年よりも聴講者は少ないながら、熱心な質疑応答があり、支所の研究成果をご理解いただけたと、感謝しています。
JSTサマーサイエンスキャンプを関西支所で開催するのは2年目でした。「光が変われば葉も変わる~樹木の光環境適応戦略~」のテーマで、夏休みの8月上旬の3日間、高校生1~3年生10名が参加しました。講師を勤めた担当の研究者と多くの支所職員の協力を得て、参加した高校生諸君には研究することの楽しさを味わってもらうことができたと信じています。
支所で行う森林研究と各育種場が行う林木育種事業の業務の調整を図ることにより、森林研究及び林木育種事業の一体的な運用を確保し、効率的かつ効果的な展開を図るため、10月1日付けで育種調整監が新設されました。

平成24年1月

森林総合研究所関西支所長 藤井智之

目次

1.平成22年度研究課題一覧(PDF:253KB)

  1. 森林総合研究所関西支所関係抜粋

2.関西支所における研究課題の取り組み(PDF:120KB)

3.平成22年度関西支所の研究概要(PDF:685KB)

  1. 森林吸収量把握システムの実用化に関する研究
  2. アジア陸域炭素循環観測のための長期生態系モニタリングとデータのネットワーク化促進に関する研究
  3. 森林及び林業分野における温暖化緩和技術の開発
  4. 地球温暖化が森林及び林業分野に与える影響評価と適応技術の開発
  5. 地球温暖化が日本を含む東アジアの自然植生に及ぼす影響の定量的評価
  6. 合法性・持続可能性木材の証明のための樹種・産地特定技術の開発
  7. 生物多様性条約2010年目標達成評価のための森林リビングプラネットインデックス開発に関する研究
  8. 種特性に基づいた里山二次林の多様性管理技術の開発
  9. 極端な葉フェノロジー多型の進化適応的意義と種の絶滅・侵入リスク評価
  10. ナラ類集団枯損の予測手法と環境低負荷型防除システムの開発
  11. 滑床山・黒尊山国有林のニホンジカによる森林被害に関する調査
  12. 長期的餌資源制限がニホンジカの生活史特性へ及ぼすフィードバック効果の解明
  13. ニホンジカが南アルプス国立公園の自然植生に及ぼす影響とその対策に関する研究
  14. 林業被害軽減のためのニホンジカ個体数管理技術の開発
  15. 間伐促進のための低負荷型作業路開設技術と影響評価手法の開発
  16. 土砂災害の発生予測手法と危険度評価技術の高度化
  17. 林地斜面・渓畔域の安定・緑化管理技術の開発
  18. 水流出に及ぼす間伐影響と長期変動の評価手法の開発
  19. 樹木根系の斜面補強効果調査
  20. 日本における木彫像の樹種と用材観に関する調査
  21. 西日本における植生と景観形成に及ぼした野火の影響
  22. 文化財建造物の保存に必要な木材及び植物性資材の安定確保の基礎的要件に関する研究
  23. 里山の“社会-生態システム” における動的安定性回復のための社会実験
  24. 日本列島における人間-自然相互関係の歴史的・文化的検討(部分)
  25. 里山イニシアティブに資する森林生態系サービスの総合評価手法に関する研究
  26. 現代版里山維持システム構築のための実践的研究
  27. 「日本林業モデル」の開発と活力ある林業の成立に向けた林業・木材利用システムの提示
  28. 先進林業国における新たな森林経営形態のわが国での適合可能性評価
  29. 限界集落における持続可能な森林管理のあり方についての研究
  30. 違法伐採対策等のための持続可能な森林経営推進計量モデル開発事業
  31. 中国における木材市場と貿易の拡大が我が国の林業・木材産業に及ぼす影響の解明
  32. 広葉樹林化のための更新予測および誘導技術の開発
  33. 多面的な森林の調査、モニタリングおよび評価技術の開発
  34. 長伐期循環型を目指す育林技術の開発
  35. 列状間伐の実態分析によるガイドライン策定
  36. 基準・指標を適用した持続可能な森林管理・計画手法の開発
  37. 北方天然林における持続可能性・活力向上のための森林管理技術の開発
  38. スギ再造林の低コスト化を目的とした育林コスト予測手法及び適地診断システムの開発
  39. 森林資源保全のための樹木遺伝子バーコードの基盤構築と有効性に関する研究
  40. サクラの系統保全と活用に関する研究
  41. 森林の物質動態における土壌の物理・化学的プロセスの解明
  42. 土壌・微生物・植物間の物質動態に関わる生物・化学的プロセスの解明
  43. 倒木上に成立したヒノキ実生の養分獲得における菌根の寄与の解明
  44. 森林土壌におけるグロマリン現存量とその集積に関与する鉄化合物の解明
  45. 土を掘らずに地中探査用レーダを用いて樹木根バイオマスを推定する方法の確立
  46. 高エネルギーX線吸収分光法を用いた土壌中イオウ化合物の形態とその分解抵抗性の解明
  47. 森林生態系における水動態の解明
  48. 森林生態系の微気象特性の解明
  49. 森林の呼吸量推定の高精度化
  50. 日本の落葉広葉樹林におけるメタンおよび全炭化水素フラックスの高精度推定
  51. 環境変化にともなう野生生物の遺伝的多様性および種多様性の変動要因解明
  52. 野生生物の生物間相互作用の解明
  53. 森林健全性保持のために重要な生物群の分類・系統解明
  54. DNAバーコードと形態画像を統合した寄生蜂の網羅的情報収集・同定システムの構築
  55. マツタケの養分獲得に関する生物間相互作用の解明
  56. マレーシア産きのこ類のインベントリーとDNAバーコード
  57. 亜熱帯中国に生起した「アジア型」酸性化の実態解明:生物・微生物相の変容とその機構
  58. 異所的集団の種分化研究と種分類学-DNAバーコードを超えて
  59. トカラ列島における森林性鳥類の生物物理:渡瀬線を挟んだ島々での繁殖分布と集団構造
  60. 樹木加害微生物の樹木類への影響評価と伝播機構の解明
  61. 媒介昆虫と病原菌の遺伝的変異と病原性の変異からナラ枯れの起源に迫る
  62. 種子消費者との相互作用に基づいたコナラ属種子に含まれるタンニンの機能解明
  63. 森林植物の分布要因や更新・成長プロセスの解明
  64. 里山構成種の生理的可塑性と共存機構における林冠ギャップの機能評価
  65. 森林水文モニタリング
  66. 収穫試験地における森林成長データの収集
  67. 森林総研小笠原試験地毎木調査結果のデータベース化
  68. 外生菌根菌の宿主特異性の進化と宿主転換-フタバガキ科樹種との共生関係に着目して-

 

4.研究資料(PDF:414KB)

  1. 基盤事業:森林水文モニタリング-竜ノ口山森林理水試験地-
  2. 台風被害を受けた173 年生スギ天然林の定期調査結果-遠藤スギ天然林択伐収穫試験地(岡山県苫田郡上斎原)調査報告-

5.試験研究発表題名(PDF:491KB)

  1. 平成22年度 試験研究発表題名一覧

6.組織・情報・その他(PDF:427KB)

  1. 沿革
  2. 土地及び施設
  3. 組織
  4. 人の動き
  5. 受託出張
  6.  職員研修
  7.  受託研修生受入
  8.  客員研究員
  9.  特別研究員
  10.  海外派遣・出張
  11. 業務に必要な免許の取得・技能講習等の受講
  12. 見学者
  13. 会議
  14. 諸行事
  15. 試験地一覧表
  16. 森の展示館(標本展示・学習館)

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