ホーム > 研究紹介 > 研究成果

更新日:2017年4月20日

ここから本文です。

研究成果

森林総合研究所林木育種センターにおいては、(1)成長が優れた品種、花粉の少ない品種、マツノザイセンチュウ抵抗性を有する品種等の新たな林木の品種の開発、(2)品種の開発や希少種等保護のための遺伝資源の収集・保存、(3)海外における林木育種等の協力等を行っていますが、これらの活動は、数多くの優れた研究成果に支えられています。
たとえば、(1)林木の品種開発については、品種の形質(成長がよい、花粉が少ない、マツノザイセンチュウに強いなど)が現れるメカニズムやこれらの形質の有無を成長の早い段階で明らかにする方法など、(2)遺伝資源の保存については、種子や花粉を長期間に保存できる方法など、(3)海外協力については、海外の樹種についての育種の方法などの研究が行われています。
研究で成果を得るまでには長い期間が必要ですが、毎年、多くの成果が得られています。ここでは、その成果の一端をご紹介します。

 

研究成果(年度別)(部署別) 

2016年度

前方選抜による初期成長に優れた第二世代品種の開発(PDF:725KB)
我が国の林木育種で初となる、検定データを使用して優良系統を選抜する前方選抜により、スギのエリートツリーの中から初期成長に優れた品種を、これまでの手法と比べて極めて短時間で開発しました。

ゲノム情報を利用した育種高速化技術の体系化(PDF:618KB)
スギの遺伝的改良に必要な、成長・材質等の特性を把握するにはこれまで数十年が必要でした。ゲノム情報を利用することその期間を大幅に短縮する手法を開発しました。

スギ雄花形成に関わる遺伝子を特定し花粉症対策に活かす(PDF:858KB)
花粉症対策品種の開発に向けて、雄花形成から花粉飛散までの組織観察の結果をもとにスギ雄花の発達ステージを決定し、各ステージで働く遺伝子を明らかにしました。

抵抗性クロマツで海岸防災林を再生する(PDF:717KB)
東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けたクロマツ海岸防災林の再生のため、マツ材線虫病に抵抗性があるクロマツ苗木を大量供給するシステムを産官民の共同研究により構築しました。

イネの遺伝子を使ってポプラの木質バイオマスの増産に成功(PDF:668KB)
木質生産を制御するイネの遺伝子をポプラに導入することにより、成長に悪影響を及ぼすことなく木質バイオマスを増産させることに成功しました。さらに、このポプラが高い強度をもつことも分かりました。

2015年度

 

心材の含水率が低いトドマツ品種の開発(PDF:1,036KB)
心材含水率が遺伝的に少ない「材質優良トドマツ品種」5品種を開発しました。これらの品種を生産・普及することで、将来の乾燥等のコスト削減と材の高付加価値化が期待できます。

スギの生育環境への適応性の評価(PDF:1,116KB)
次代検定林の調査データと気象庁が公開している気候データとを統合的に解析することで、スギが元々の生育地と異なる地域で生育した場合に、成長にどのような影響を受けるのかわかました。 

林木遺伝資源の収集・保存手法の開発(PDF:1,203KB)
林木ジーンバンク事業の対象となる樹種リストを作成し、成体保存されている遺伝資源を整理するとともに、GIS技術により地図上に「見える化」することで、今後、成体保存の必要性の高い地域を明らかにしました。

国産の「カギカズラ」で漢方薬を作る ―組織培養で増やし、枝の薬用成分の濃度を探る(PDF:1,048KB)
つる性の樹木であるカギカズラは漢方に使用され、高血圧症や認知症の抑制効果があるとされています。これを組織培養で増殖する方法を開発し、また、薬用成分が枝のどこの部分に多く含まれるかを明らかにしました。

2014年度

スギ・ヒノキのエリートツリーを開発(PDF:562KB)
 精英樹のF1検定林から、成長や材質に優れかつ雄花着花量も少ないエリートツリー(第2世代精英樹)を開発し、この中から特定母樹が指定されました。

スギの器官別発現遺伝子の情報を統合 ~スギの品種改良の高速化に向けて~(PDF:664KB)
 スギについて、器官別、時期別に発現している遺伝子の情報を網羅的に収集し、それらの情報を統合することにより、ゲノム情報を活用して優良個体選抜のための特性評価に要する期間を短縮する、育種の高速化を推進するための基盤情報を整備しました。

スギ遺伝資源のコアコレクションの作成(PDF:541KB)
 林木ジーンバンク事業で収集・保存している大量のスギ遺伝資源の中から、遺伝的情報や生育地の環境情報を基に全体を代表する情報量の多いコアコレクション(代表的な品種・系統のセット)を作成しました。

絶滅危惧種ワダツミノキの薬用成分含量の解明と増殖方法の開発(PDF:610KB)
 鹿児島県奄美大島に自生する小高木であるワダツミノキは抗がん剤の原料成分を含有し、その含有率には個体により大きな差があることを明らかにしました。また、苗木生産のための組織培養による増殖方法を開発しました。

2013年度

第2世代のマツノザイセンチュウ抵抗性品種の新たな品種開発(PDF:698KB)

 マツノザイセンチュウ抵抗性品種同士の子供から、より抵抗性の高い5品種を開発し、第2世代の抵抗性品種の開発が本格化しました。

テリハボクの遺伝変異を解明する(PDF:779KB)

台湾から沖縄、小笠原諸島のテリハボク島嶼集団についてDNA を分析し、それら3地域間で遺伝的な組成が異なることを明らかにしました。

シラカンバの遺伝変異を解明する(PDF:706KB)

中部地方以北の日本各地に分布するシラカンバ天然林から採取したDNA を分析して、北海道、東北日本および関東・中部日本で集団の持つ遺伝子が大きく異なることを明らかにしました。

遺伝子組換えによるスギ花粉形成抑制技術を開発(PDF:770KB)

RNA分解酵素遺伝子を用い、スギ花粉形成抑制技術を開発しました。遺伝子組換えによる無花粉スギの作出は、初めての成功例です。

2012年度

東北地方等におけるマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ品種の開発(PDF:661KB)

クロマツのマツノザイセンチュウ抵抗性品種の増加が望まれていた東北地方等において12品種を開発しました。これらは海岸林の再生等に資することが期待されます。

マツノザイセンチュウに対するクロマツの抵抗性の機構解明(PDF:1,360KB)

クロマツのマツノザイセンチュウ抵抗性品種の抵抗性の機構は不明でしたが、線虫を接種し、遺伝子の発現を調査したところ、抵抗性品種では、一般のクロマツで生じる過敏感反応がなく、自らの防御機構で線虫を抑えていることを明らかにしました。

アカマツの遺伝変異を解明する(PDF:683KB)

マツノザイセンチュウ被害等で減少が心配されている日本各地のアカマツ天然林から採取したDNA を分析して、西南日本、中部日本及び東北日本で遺伝的な組成が異なることを明らかにしました。

 

2011年度

第二世代のマツノザイセンチュウ抵抗性品種を開発(PDF:1,171KB)
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ品種同士を交配して、その子供を育成し、より病原力の強いマツノザイセンチュウを接種するなどの検定を進め、格段に高い生存率を示す第二世代品種を初めて開発しました。

ケヤキの遺伝的多様性(PDF:1,162KB)

国内各地のケヤキ天然林から試料を採取し葉緑体DNA と核DNA それぞれの遺伝的多様性を明らかにしました。遺伝的多様性に配慮した植栽や精密な林木遺伝資源の保存に活用できます。

アカシア属の育種技術マニュアルの作成 ―人工交配による効率的なアカシア・ハイブリッドの創出方法(PDF:983KB)

熱帯地域の造林樹種であるアカシア属について人工交配によってハイブリッドを創出するための交配手順について詳しく解説したマニュアルを作成しました。

 

2010年度

無花粉スギの大量生産技術の開発(PDF:1,236KB)

国民的課題となっているスギ花粉症対策への根本的な対策として、花粉を出さないスギ品種の開発を行い、これを組織培養等によって効率的に大量生産するためのシステムを開発しました。

精英樹F1の成長量はこんなに大きい!(PDF:1,048KB)

成長の良い精英樹同士を掛け合わせ、より成長が優れた品種の開発を進めています。中には5年生で樹高が7mに達するほどのすばらしい成長を示すものがあり、下刈省力化等への寄与が期待できます。 

中国でマツノザイセンチュウに強いマツをつくる(PDF:1,279KB)

マツ材線虫病の被害が広がっている中国において、被害の程度が深刻な在来樹種のバビショウ(Pinus massoniana) のマツノザンセンチュウ抵抗性育種を安徽省で実施し、抵抗性のあるクローンを選抜することに成功しました。

 


Adobe Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

お問い合わせ

所属課室:森林総合研究所林木育種センター育種企画課 

〒319-1301 茨城県日立市十王町伊師3809-1

電話番号:0294-39-7002

FAX番号:0294-39-7306

Email:ikusyu@ffpri.affrc.go.jp