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NewValueCircus2016inTokyo参加報告

日時 2016年12月06日(火曜日)
場所 東京国際フォーラム(東京都千代田区丸の内)
主催 富士ゼロックス
参加者 野生動物研究領域 鳥獣生態研究室 永田 純子

参加報告 

New Value Circus 2016 in Tokyoでは「ワークスタイルイノベーション」をテーマに様々なセミナーが開催されました。そのうちの1つのセミナーに関して概要をご報告します。

「多様な働き方を支えるワークスタイル」
講師:株式会社ワーク・ライフバランス 小室淑恵 氏

ワークスタイルの改革がなぜ必要か? この背景にある社会状況は、私が認識しているものよりも遥かにシビアだということを知り、背筋が凍る思いをしました。

日本では高度経済成長期にあたる人口ボーナス期*1が90年代に終わりました。その当時、高齢者比率が高くなったにもかかわらず少子化対策が遅れたため、瞬く間に人口オーナス期*2に突入しました。現在は未だにその真っただ中です。この人口オーナス期を乗り越えるポイントは、

  1. 生産年齢人口(18歳から65歳)でありながら労働参画できていない人をどれだけ参画させられるか?
  2. 真に有効な少子化対策をして長期的な労働力を確保できるか?
    に集約できるそうです。そして、これらに対して有効な対策は1にも2にも「働き方改革」です。

少子化対策に「働き方改革」が必要 ???

第2子以降を出産するか否か?に最も効いているファクターは、夫の育児参画度合いだということです。第1子が生まれた時に夫が家事・育児に参画せず、妻が孤独な育児を経験すると、第2子の出産は望まないという構図です。つまり、職場全体の働き方改革をすることで出生率の上昇を見込めるはずです。

現在の出生率が続いた場合、2100年には現在の40%にまで人口が減少し高齢化率は41.3%になるそうです。この1-2年の間に対策を打たないと、経済破綻が起こること間違いなしです。

なぜ「1-2年」のうちに対策が必要 ???

2年後には団塊ジュニア世代の出産適齢期が終了するそうです。そのため、この2年が人口を増やす最後のチャンスだと捉えられています。さらに来年には、団塊世代が70歳になります。70歳代になると要介護率が60歳代の2倍に跳ね上がるそうです。団塊ジュニア世代は介護、育児、共働きの3重苦を強いられることになります。現在でも問題視されている介護離職ですが、今の状況は実は嵐の前触れ。これから急激に増加することが予測されています。

職員のほとんどが労働時間に制約を受けることになる、という現実がすぐ目の前に迫っています。管理職の方々は、「時間制約が無い部下は、もういない」ということを認識するべきだということでした。

それでは、職場が取り組むべきことは何でしょうか?次の4つが重要な柱となります。

  1. 女性の積極的採用
  2. 休業・時短を経験しても、継続就業できる制度整備
  3. 長時間業務の是正
  4. 評価の見直し。「成果主義」の定義の修正。

通常、職場で取り組まれる順番は1→4だそうですが、実は最も重要度が高いのは4で、4→1という順番で取組むべきだそうです。育児や介護のため時間制約がある職員は、勝負に勝てなくなってしまう現実に突き当ることがあります。その時、なげやりやあきらめの気持ちが先行し、モチベーションが下がることがしばしばです。この変化は、モチベーションが高かった人のほうが起こりやすいということです。これには評価基準を「時間当たりの生産性」とすることで対応できるという話がありました。

最後に「定年後余命30年」という話がありました。その30年間の評価をするのはあなたの家族や地域コミュニティです。地域コミュニティに入り込むときの自己紹介で、キャリアの説明だけで終わる人は嫌われます。定年後は、趣味や特技で自己紹介ができるように、自身のワークライフバランスを実践し、自己研鑽に励みましょう!

[用語解説]
*1人口ボーナス期:若者の比率が高く、高齢者の比率が非常に少ない人口構造の状態
*2人口オーナス期:若者の比率が低く、高齢者の比率が非常に高い人口構造の状態

野生動物研究領域 鳥獣生態研究室・ダイバーシティ推進室(併任)

永田純子:記

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