ダイバーシティ推進室 > 知る > 外部機関でのシンポジウム・セミナー > 第15回男女共同参画学協会連絡会シンポジウム参加報告
更新日:2017年12月11日
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【午前の部】
第4回科学技術系専門職の男女共同参画実態調査報告
【昼の部】
ポスターセッション
【午後の部】
第1.部
基調講演1:ダイバーシティ2.0 一歩先の競争戦略へ
基調講演2:受け入れるダイバーシティから発信するダイバーシティへ
-ジェンダーサミット10発アジアから世界へ-
第2.部
主催学会(化学工学会)、大学(名古屋大、芝浦工業大)、産業(21世紀職業財団、日産自動車)からの講演
パネルディスカッション
科学・工学・数学分野(STEM分野)における約100の学協会で組織される男女共同参画学協会連絡会主催のシンポジウムに参加しました。
午前の部では、2016年に実施された大規模アンケート(第4回科学技術系専門職の男女共同参画実態調査)の結果について報告されました。大規模アンケートは、科学技術系専門職の現状把握と課題の抽出を目的として2003年から4~5年ごとに実施されており、その結果に基づいた政府への「提言・要望」が行われているそうです。森林総研と関係の深い森林学会や生態学会、木材学会等からの依頼でアンケートに協力された方もいらっしゃるのではないでしょうか。報告書の全文は連絡会のWebサイトで公開されています。
第4回科学技術系専門職の男女共同参画実態調査報告書→http://www.djrenrakukai.org/(外部サイトへリンク)
雇用形態(任期付き職)や役職などの男女差は縮小傾向にあるものの依然として女性に昇進の遅れがあること、ワークライフバランスの課題に対する認識や男女共同参画に対する意識および施策認識等には男女の差があることが示されました。自由記述回答についてもきめ細かく分析されており、回答傾向の違いを視覚化した「ワードクラウド解析」の図(写真1)は興味深かったです。「ワードクラウド解析」の図(PDF:244KB)
今回の結果をふまえた提言・要望の内容は、以下の4項目とのことです。
昼の部のポスターセッションでは、加盟学協会や大学・研究機関・企業等合わせて50件の発表があり、各機関における取り組みが紹介されました。会場では、情報交換やイベントの告知・協力依頼等が活発に行われ、たまたまお隣だった九州大学のブースでは、最近導入された配偶者帯同雇用制度について注目が集まっていました。
午後の部では、企業の成長性や収益性の向上につながる競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ2.0)の概念や行動ガイドラインについて、および今年の5月に東京で開催された国際会議「ジェンダーサミット10」の概要について基調講演が行われました。
続いて行われた産学からの講演では、女性活躍推進の先進事例や組織に与える効果について紹介されました。大学等では数値目標や行動計画の達成そのものが重視される傾向があるが、企業ではその取り組みによる人材確保やイノベーションの推進という最終目的の達成が最も重要である、という違いがあるようです。また、女性の活躍推進のためには、育児等との両立による「仕事の継続」と育成・登用による「キャリアアップ」の両方の対策が必要で、育成の効果が現れるには時間がかかることを認識すべきとのことでした。その他、男性(管理職)と女性(部下)の両方の意識改革が重要であることや、トップダウンの推進策(女性を「優遇」して登用することではありません)が効果的であること等、それぞれの分野・立場からのお話を聞くことができました。
パネルディスカッションでは、理工学系の女子学生は増えつつあるが分野に偏りがあり、産業界が採用したいIT分野や機械系分野などの女性技術者が少なく、教育ニーズに対するミスマッチが生じているという課題が上がっていました。進路の意志決定においては女子の方が男子よりも早い傾向があるそうで、初等中等教育における理系進路選択支援がますます重要になってくるとのことです。また、男女共同参画や女性活躍推進に関することは、どんな場面でも「総論賛成・各論反対」の状況に陥ることが多い、というお話に、パネリストも聴衆も大きくうなずいていたのが印象的でした。
木材加工・特性研究領域 木材機械加工研究室 松村ゆかり:記
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