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更新日:2019年12月5日

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筑波大学ダイバーシティセミナー5参加報告

【参加報告】研究領域におけるGender Equalityとダイバーシティ推進の壁
~意思決定プロセスへの女性の参画と推進体制の持続可能性~

191128概要(PDF:621KB)

今回は、JST(国立研究開発法人科学技術振興機構)のプログラム主管、山村康子氏のセミナーに参加してきました。このセミナーは、科学技術人材育成費補助事業 「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(全国ネットワーク中核機関(群))」全国ダイバーシティネットワーク組織 関東・甲信越ブロックのイベントとして筑波大学が主催したもので、
(1)大学や研究機関等に共通して「壁」として残る、女性の上位層育成を含む「意思決定プロセスへの女性の参画」、および(2)補助事業により整備された組織の維持や取組の継続を含む「推進体制の持続可能性」に焦点を当てたものでした。
また、(1)(2)について、日本各地の大学や研究機関の取組支援に長年関わられてきた科学技術振興機構のプログラム・オフィサー(山村氏)を講師として招き、参加者が研究領域における男女共同参画とダイバーシティ推進の「壁」に関する現状を認識し、その突破に向けた示唆を得ることを目的として開催されました。セミナーの様子

セミナーでは、以下のような流れで近年の国内外のダイバーシティ推進状況について紹介がありました。

  1. 日本政府による女性の活躍促進に向けた目標値の設定について
  2. 文部科学省による女性研究者支援・養成事業について
  3. 文部科学省による事業のこれまでの成果について
  4. 女性上位層(教授・准教授相当)の育成について
  5. 女性マネジメント層の育成について
  6. ダイバーシティ推進体制の維持・発展について

このなかで特に強く関心をもったのは、女性マネジメント層の育成についてです。
女性マネジメント層の育成のためには、以下の4つの項目をトップダウンで実施することが必要だそうです。

1).マネジメント層を目指す意識を養うこと

2).マネジメント層のワーク・ライフバランスを推進すること

3).マネジメント層の補佐などを管理職等として経験し、経験の蓄積を行うこと

4).女性マネジメント育成のための財源や組織体制を確保すること

また、昨今多くの組織でダイバーシティの取り組みが進められています。どこも最初は「抵抗(多様性に対して何ら取り組みを行わない)」から始まり、「同化(法律や機会を遵守する組織としては防衛的な段階)」を経て、徐々にいわゆる「多様性の尊重(違いの存在は認めるが、組織として活用の段階までは到達していない)」までは到達するそうなのですが、それを組織運営に有効に生かしていこうとする“ダイバーシティマネジメント”の段階(「分離(違いをビジネス等に活用するためにマジョリティから分離する状態)」・「統合(違いを全体的に活かすため、マジョリティと混在させる状態)」)まで進む組織は、公的機関では特になかなかないとのことでした。一方、ダイバーシティマネジメントによって経済的な利得が可能な民間企業では、実際に経営に織り込む組織が増え、実際に経済的な側面以外の利益にも繋がっているようです。

では、公的機関でのダイバーシティ推進に意味がないのかというとそうでもなく、ダイバーシティ推進が達成されることによって、「グローバルな人材獲得力の強化」「リスク管理能力の向上」「取締役会(理事会)の監督機能の向上」「イノベーション創出の促進」を獲得することができ、それを組織運営・経営に結び付けていくことで、不確実性の高い現在においても活力ある職場の維持・創出が可能になるとのことでした。
また、研究費の獲得についてもポジティブに働くとのことです。実際に女性の研究者が増えた大学等の組織では、科研費の採択率も上昇したそうです。きっと女性が増えたことで、多様な知的交換が可能になるなど「イノベーション創出の促進」に繋がり、より意義深い研究プロポーザルが可能になったのでしょう。
さらに、すでに一般的になってきましたが、制度の面でもダイバーシティ推進を行うことで研究費の獲得可能性が高まります。セミナーでも「えるぼし」「くるみん」「ユースエール」を有する組織が提案する研究プロポーザルへの加点措置(組織がワーク・ライフバランスに配慮しており、所属する研究者が十分かつ順当に研究の遂行が可能であるという意味合いで加点される。すなわち、組織が上記のどれかを有していると研究費獲得の上で大変有利になる)について活用事例の紹介がありました。
このように、研究機関においてはダイバーシティの推進が組織の活力の維持・創出だけでなく、(数年前からその萌芽はあったのですが)ここにきて一段と研究費獲得に直接結びつく時代になってきたようです。

ダイバーシティ推進室では、DSO加盟機関などと連携して継続的に情報を収集し、機構における男女共同参画の推進、それに繋がる子育て支援、ワーク・ライフバランスの推進等を通じて、職員のみなさまの働きやすい職場環境の構築に貢献していきたいと思います。 

 セミナーの様子2_2

ダイバーシティ推進室室長 高山範理(たかやまのりまさ)

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所属課室:企画部研究企画科ダイバーシティ推進室

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