ダイバーシティ推進室 > 知る > ダイバーシティ推進セミナー > 第25回エンカレッジ推進セミナー開催報告
更新日:2018年7月17日
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≪ポスター(PDF:822KB)≫ |
「左利きの人?」、「AB型の人?」という会場への問いかけに、それぞれ数人が手を挙げていました。それと同じくらいの割合で、セクシャル・マイノリティの人はいるそうです。
「LGBT」という言葉を耳にしたことはあっても、きちんと意味を理解できている人はまだ少ないかもしれません。セクシュアリティ(性の在り様)は、性自認(ココロの性)、身体的性(カラダの性)、性的指向(スキになる性)、表現する性(どうふるまうか)の組み合わせで、明確に区別できるものではなく流動的な場合もあること等について、わかりやすく整理して説明していただきました。また、性的指向とは「嗜好」ではなくて「Sexual Orientation」であり、性自認「Gender Identity」と合わせた「SOGI」は、マジョリティ(例えば、性自認:男、身体的性:男、性指向:女)も含む多様性を表現しているので、より誤解が少ない言葉とのことです。
トランスジェンダーやXジェンダーなど、そもそも「LGBT」とまとめて定義すること自体が難しいということや、トランスジェンダーの全員が性別適合手術を望むわけではないこと、宗教や文化的背景によってLGBT等に対する状況は各国で異なること、日本でも自治体レベルでの制度の整備や支援が開始されていること等、エンカレッジ推進セミナーで初めて取り上げられた今回のテーマについて、まずは基本的な内容や現状について知ることができました。
筑波大学では、全国に先駆けて支援を開始し、平成29年3月に「LGBT等に関する筑波大学の基本理念と対応ガイドライン」を策定・公表しています。大学が支援体制を整える理由としては、メンタルヘルスや権利擁護的な側面からの「守り」の視点と、人材・環境の多様性がイノベーションの創出につながるという「攻め」の視点の両方があります。当事者の状況やニーズは多様なので、基本理念に沿って、当事者や関係組織と連携しながら個別的な対応を進めているそうです。
基本理念の中でも最も重要なのは、「少数者を差別しません。」というものです。あたりまえのことのようですが、この当然のことを組織の理念として明示することで、当事者は、自分がいてもいいんだと感じることができます。「ここには対象者がいないので取組は必要ありません。」と言った時点で、当事者はいないことにされ、口を開くことができなくなってしまうからです。制度的な取組にはリソースが必要で、すぐには対応できないことも多いと思いますが、組織の取組として「差別をしません。」と宣言することが第一歩、とのことでした。
当事者を含め多くの学生さんと現場で接する河野先生のお話では、「セクシャル・マイノリティに関することを笑いのネタにするのは時代遅れ」とか、「LGBT等への寛容性を表明している企業は魅力的」という雰囲気が浸透してきているそうです。
何も知識がない状態では、悪気無く、誰かを傷つけてしまうこともあるかもしれません。偏見や誤解をなくすために、少しずつでもみんなが状況を理解し、知識を共有していければ良いなと思いました。良い/悪いとか、正しい/正しくないとかではなく、想像力と思いやりをもって、一人一人が多様性について考えていくことが大事なのかなと思います。
木材加工・特性研究領域 木材機械加工研究室 松村 ゆかり
過去のセミナー参加報告もぜひご覧下さい。
→「LGBT等に関する筑波大学の基本理念と対応ガイドラインの策定について」参加報告
http://www.ffpri.affrc.go.jp/geneq/chishiki/outside_sympo_archives/sankahoukoku/2017sankahoukoku/0912sogi_lgbt_diversity.html
→「SOGI/LGBTとダイバーシティ」参加報告
http://www.ffpri.affrc.go.jp/geneq/chishiki/outside_sympo_archives/sankahoukoku/2017sankahoukoku/20170509tsukuba_u.html
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