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更新日:2019年4月9日

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エゾマツ育種・造林への取り組み

 エゾマツは北海道を代表するトウヒ属の針葉樹で、古くから建築用や家具用など様々な用途に利用されてきました。しかし、エゾマツは菌害に弱いことから天然更新は倒木上などの限られた場所でしか行われず、更に人工造林も難しいことなどから、資源量は戦前に比べて半分程度に減少したと考えられています。北海道育種場では東京大学などと協力し、「北海道固有の森林資源再生を目指したエゾマツの早出し健全苗生産システムの確立」の一環として、15箇所の産地より採取された種子を用いて、エゾマツのコンテナ苗の育苗技術開発を進めました。育苗期間の短縮のため様々な育成条件を検討した結果、ガラス温室内で高圧ナトリウムランプを利用して長日処理を行うことで成長が大きく促進されることが明らかになりました(写真-1)。通常の苗畑では約5年必要な育苗期間を2年まで短縮できる可能性が示されました。
 また、これらの過程で育成したエゾマツのコンテナ苗は、北海道内の環境条件の大きく異なる2箇所の試験地に植栽し、成長量や生存率の調査を進めています。本研究を通じてコンテナ苗を用いたエゾマツ人工林の造成方法や地理的変異を検証することを予定しており、エゾマツの人工造林技術に関する新たな知見を得られることが期待されます。


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写真-1 露地で栽培した苗(左)および長日処理を行った苗(右)

 


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