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更新日:2019年4月9日

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木質バイオマス生産量の大きいヤナギ品種の開発

 温室効果ガスの影響による世界的な気候変動への懸念が高まる中、その対応は国の垣根を越えた課題となっています。この影響を緩和するためには化石燃料への依存から脱却することが求められており、新たなエネルギー源として再生可能エネルギーの利用が急速に進められています。バイオマスはこの再生可能エネルギーの一つであり、電気や熱源といったエネルギー源以外にも、運輸用の燃料やプラスチックなどの材料としても利用することができることから、石油など化石燃料の代替資源として利用が進められています。
 スウェーデンやイギリスを初めとするヨーロッパ各地では、SRC(Short Rotation Coppice)と呼ばれる超短伐期施業により木質バイオマスの生産が行われています。SRCはヤナギやポプラなどの成長の早い樹種を植栽し、数年から十数年程度で収穫するものであり、乾燥重量で年10t/ha以上の木質バイオマスの生産が可能です。北海道でも遊休農地を活用したバイオマス生産に注目が集まっていますが、SRCによりクリーンなエネルギーが得られる他、新たな雇用の創出も期待できることから、気候変動の緩和や地域経済への波及効果が期待されます。
前述のEU諸国では、成長の良いクローンを選抜することによりバイオマス生産量が大きく向上することが分かっています。北海道育種場では、オノエヤナギとエゾノキヌヤナギを対象として、木質バイオマス生産量の大きいクローンの選抜を進めていますが、他のヤナギ属樹種と同様に成長量はクローン間で大きく異なることが分かってきました。成長に優れたクローンでは、2成長期間で5m以上に成長しました(写真-1)。北海道育種場では、木質バイオマス生産量の大きいクローンを選抜し、効率的なバイオマス生産に資する品種開発を行う予定です。





yanagi

写真-1 2成長期間経過後のヤナギ試験地

 


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