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1. 受賞名 | 第8回(2015年)日本生態学会大島賞(受賞日:2015年3月20日) |
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2. 受賞者の氏名、所属 |
北海道支所 韓 慶民 |
3.受賞理由 |
野外における生理生態学的データの長期観測及び分析により植物の生態生理学の発展に大きく貢献してきた。 |
4.受賞の簡単な紹介 |
樹木の種子生産における豊作年は数年に一度しか訪れないため、そのメカニズムを明らかにするには長期間にわたって観測を継続する必要がある。ブナ林を対象に、枝、繁殖器官、葉における資源量を10年にわたって測定し、得られた重みのあるデータの分析と安定同位体比分析から、種子生産には貯蔵炭素はほとんど使われていないことを実証し、豊凶には炭素ではなく窒素資源の影響が強い可能性を指摘した。また、二酸化炭素添加実験を通して、二酸化炭素が高濃度な環境下では繁殖と成長への資源配分が大きく変化する可能性も指摘している。一連の研究成果は、樹木の結実豊凶メカニズムの解明に扉を開くもので、その学術的価値は非常に高いと評価された。 |
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