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森林総合研究所では、平成30年11月1日に、以下のとおり平成30年度理事長表彰を行いました。
業績名 |
平成29事業年度における決算期の会計事務の早期化等に関する取組 |
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受賞者 |
野村 匡 (総務部 経理課 決算係長) 東 由紀子 (総務部 経理課 専門職) 水口 雄喜 (総務部 経理課 係員) 坂本 祐輔 (総務部 経理課 係員) |
受賞要旨 |
経理課決算係では、会計監査法人からの決算事務早期化に係る要請を受けて、また、超過勤務縮減を目指し、平成29事業年度の決算事務を進めるにあたって、決算期の早期化及び事務負担の軽減策を検討した。 決算係では、法令、規程等に反することなく、開始時期の早期化と一時期に集中する事務を分散させる業務の進め方を検討し、年度末における決算事務と支払事務を一部分離する手続きを導入することにより、平成29事業年度の決算期の会計業務を正確かつ適正に実施するとともに、従来よりも早期に開始、終了させることが可能となった。 |
業績名 |
新規植栽木への放射性物質の経根吸収の評価およびカリウム施肥による移行制御効果の検証 |
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受賞者 |
カリウム施肥効果検証グループ 小松 雅史(きのこ・森林微生物研究領域 主任研究員) 平井 敬三(立地環境研究領域 領域長) 野口 享太郎(東北支所 チーム長) 竹中 篤史(森林整備センター 本部 森林企画課長) 荒家 武(森林整備センター 関東整備局 福島水源林整備事務所長) |
受賞要旨 |
福島第一原子力発電所事故後の被災地の復興においては、樹木への放射性セシウムの移行を低減する技術の開発が急務となっている。受賞者一同は川内村の協力のもと、事故後に植栽されたヒノキ苗を用いてカリウム施肥が放射性セシウムの吸収抑制に有効であることを立証した。研究所の研究開発力と整備センターの現場力が連携し、森林研究整備機構の総合力を生かして、地域に還元できる成果をあげたことは高く評価される。 |
業績名 |
福島県南相馬市における、メタン発酵による木質バイオマス活用実証事業 |
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受賞者 |
大塚 祐一郎(森林資源化学研究領域 主任研究員) 中村 雅哉(森林資源化学研究領域 領域長) |
受賞要旨 |
木材を微生物発酵可能にする湿式ミリング処理を開発した受賞者らは、その技術を放射性物質に汚染された木材や樹皮などのメタン発酵に適用し、福島県と連携して当時避難地域であった南相馬市でその実証を行った。その結果、放射能汚染原料を使って長期連続的にメタン発酵が可能であり、そのメタンガスには放射性物質が混入しないことを証明した。 福島県でのこのメタン発酵による木質バイオマス活用実証事業は、候補者らの多大な努力と献身により成し遂げることができたもので、その功績は高く評価される。 |
業績名 |
九州支所における大規模木造共同実験棟の建設における多大な貢献 |
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受賞者 |
坂元 浩二(総務部 資産管理課 建築係長) 川合 浩太(九州支所 総務課 用度係長) |
受賞要旨 |
九州支所では、平成28年の熊本地震により甚大な被害を受け、研究施設としては全国初となるCLT(直交集成板)を用いた大規模建築物への建替え工事を行った。CLTという新しい建築材料と工法による工事であったため、施工には多くの困難を伴ったが、坂元係長と川合係長の絶妙な連携と創意工夫によって、作業の効率化や工期の時間短縮、研究業務との両立などを実現し、平成30年3月に共同実験棟が完成した。完成は、工事に関わった職員全員による努力の結果であるが、その中でも特に両氏による貢献は実験棟竣工にとって非常に大きく、高く評価される。 |
業績名 |
成長が優れた無花粉スギ品種の早期開発のためのマーカー支援選抜(MAS)の事業化への貢献 |
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受賞者 |
三嶋 賢太郎(林木育種センター 主任研究員) 平尾 知士(森林バイオ研究センター 主任研究員) 坪村 美代子(林木育種センター 主任研究員) |
受賞要旨 |
花粉発生源対策のため、無花粉品種開発の高速化が求められている。 受賞者は、無花粉品種「爽春」の改良過程で、雄性不稔遺伝子の有無を100%の精度で識別できるDNAマーカーを開発した。これにより、雄性不稔遺伝子を有する成長が優れた精英樹の活用等が容易になり、大幅な開発期間の短縮を可能とした。 この成果は、今後の無花粉特定母樹の開発の高速化と、これを通じた花粉発生源対策及び林業の成長産業化等に大きく貢献することが期待される。 |
業績名 |
サクラ類の分類及び新たな野生種クマノザクラの発見に関わる研究 |
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受賞者 |
勝木 俊雄(多摩森林科学園 チーム長) |
受賞要旨 |
受賞者はバラ科サクラ属の分類に関する研究を進め、エドヒガンと他種との種間雑種の学名を整理したほか、紀伊半島から新たな野生種クマノザクラを発見し、論文として公表した。また、図鑑類や新書等の刊行によって、サクラ類の分類や保全に関する研究成果を広く発信した。成果の一部は森林総研からプレスリリースされている。 これらの一連の活動は、一般市民への研究成果普及に大きく貢献しており、その業績は高く評価できる。 |
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