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1.受賞名 | 2019年度第13回日本植物分類学会論文賞(受賞日:2019年3月8日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
勝木 俊雄(多摩森林科学園) |
3.受賞理由 |
以下の論文は、知名度が高く、極めてよく調べられている本州産サクラ属において、形態およびフェノロジーの特徴を慎重に検討した結果、有性生殖を行う新種を認識し、その特徴と識別点を十分な説得力をもって記述しており、分布域も示している。本論文は身近な種の丁寧な観察の重要性を再認識させるものであり、かつ学術的価値の高いことが評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
バラ科サクラ属の新種Cerasus kumanoensis T.Katsuki, sp. nov.が紀伊半島南部から記載された。この新種は、花序が散房状で花序柄が伸びるから、同地域に分布するヤマザクラとカスミザクラと共通する特徴をもっている。しかし、これらの種よりも開花期が早いことや、花弁が淡紅色であること、花序に1~2個の花がつくこと、狭卵形で小型の葉身(長さ4〜8cm、幅1.8〜3.6cm)、葉柄と花柄が無毛であることなど、形態およびフェノロジーの特徴から、クマノザクラは2種から区別された。
受賞論文:Katsuki T (2018) A new species, Cerasus kumanoensis from the southern Kii Peninsula, Japan. Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 69: 119-126 |
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