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1.受賞名 | 平成31年(2019年)日本森林学会誌論文賞(受賞日:2019年3月21日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
久保山 裕史(森林総合研究所 林業経営・政策研究領域) 古俣 寛隆(地独)北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場) 柳田 高志(森林総合研究所 木材加工・特性研究領域) |
3.受賞理由 |
掲載論文「未利用木質バイオマスを用いた熱電併給事業の成立条件」(DOI:10.4005/jjfs.99.226(外部サイトへリンク))において、木質バイオマス発電事業は、発電だけよりも熱利用も行った方が熱効率や経済性が高まることを示し、地球温暖化防止に向けた木質バイオマスエネルギー利用のあり方に重要な示唆を与えたことが評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
発電効率の低下する小中規模の木質バイオマス発電事業において、熱電併給(CHP)とすることによって経済性を高めることができるかについて、シミュレーションツールを開発して比較分析を行った。4つの発電規模(1,200、1,600、1,999、5,700kW)を対象に、1)発電のみ、2)蒸気利用のCHP、3)温水利用のCHPの3種類のシナリオについて内部収益率等を推計した(売熱単価は7.7円/kWhと5.2円/kWh)。その結果、a)小中規模の場合、発電だけを行うよりも、熱利用を行うCHP事業の方が経済性は高くなる、b)1,200kWの場合、発電効率が低下するため、売熱単価が低い場合にはCHP事業を行っても採算が取れない、c)CHP事業では、発電量が大きく低下する蒸気利用よりも、発電量の低下が少ない温水利用の方が経済性が高い、d)CHP事業を実際に行うためには、地域にある大きな病院やホテル等の熱多消費事業体を複数まとめた熱需要が必要であることが明らかとなった。 |
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