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令和元年11月1日、森林研究・整備機構創立114周年式典において、以下のとおり理事長表彰を行いました。
業績名 |
ドローンを活用した森林損害調査の迅速化について |
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受賞者 |
劔持 直樹(森林保険センター 保険業務部 保険業務課 課長補佐) 小椋 重信(森林保険センター 保険業務部 上席参事) 髙橋 正義(森林災害・被害研究拠点 チーム長) 齋藤 英樹(森林管理研究領域 チーム長) |
受賞要旨 |
森林保険センターでは、機構内の研究部門(森林総合研究所)と連携し、平成29年7月の九州北部豪雨により甚大な被害を受けた福岡県朝倉市において、林道の復旧前に国土地理院が撮影した空中写真を用いて被害が集中している区域を特定し、損害の集中している箇所をドローンで撮影することで得られた詳細で高精度な画像を分析して損害区域を確定した。この結果、林道が通行できず現地まで到達できない被害箇所でも安全かつ迅速に調査を行うことができ、大規模災害時における早期の保険金支払を行うことができた。 このように森林保険部門と研究部門が連携してドローンを効果的に活用することにより、調査員の安全を確保しつつ、効率的に調査を行うことが可能となり、早期に保険金を支払うことができる調査手法を開発・実用化したことから、その功績は高く評価できる。 |
業績名 |
夏の一般公開の規模拡大と季刊森林総研のリニューアル |
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受賞者 |
亘 博幸(総務部 管理主幹) 田岡 義昭(企画部 広報普及科 広報専門役) 吉澤 宗慶(企画部 広報普及科 広報係長) 日口 邦洋(農業・食品産業技術総合研究機構 主査) 日比谷 雄樹(企画部 広報普及科 編集刊行係長) |
受賞要旨 |
研究所の夏の一般公開については、来場者数を平成29年度の800名から平成30年度は1,700名、令和元年度は2,200名へと規模を拡大し、多くの職員の協力のもと、研究所をあげて実施するイベントに育て上げた。 また、広報誌である「季刊 森林総研」については、平成30年9月発行分より、役職員と著名人の対談記事を掲載するなど誌面を刷新した。その結果、配布数が従来の5千部程度から7千部以上に増加し、より多くの読者に分かりやすく研究成果を届けることが可能になった。 以上の2つの業績は広報普及科全員のチームワークの賜物であるが、その中でも受賞者一同による貢献は非常に大きく、高く評価される。 |
業績名 |
「しいたけ害虫の総合防除」マニュアルの作成 |
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受賞者 |
北島 博(森林昆虫研究領域 昆虫生態研究室長) 向井 裕美(森林昆虫研究領域 昆虫生態研究室 任期付研究員) 小坂 肇(きのこ・微生物研究領域 森林病理研究室長) |
受賞要旨 |
シイタケ害虫18種を網羅し、個々の害虫に対応したマニュアルを作成した。生産工程と害虫の発生時期を示し、対応した物理的、施業的、天敵製剤等、複数の防除方法と効果を示した。特に、菌床栽培における最重要害虫ナガマドキノコバエ類では、経済的に防除が必要な害虫密度を示し、その時期を成虫誘殺器でモニタリングする技術を初めて開発した。さらに、天敵製剤の細菌製剤で1種、同線虫製剤で3種の害虫を対象に適用拡大を終えた。 これらにより生産者は、状況に応じた幅広い害虫対策を選択できるようになった。本成果は、林業産出額の約半分を占めるきのこ産業の発展に貢献する大きな功績である。 |
業績名 |
生息域外保存を行ってきた絶滅危惧種であるオガサワラグワの保全の推進 |
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受賞者 |
磯田 圭哉(林木育種センター 遺伝資源部 保存評価課長) 板鼻 直榮(林木育種センター 遺伝資源部 研究専門員) 木村 恵(林木育種センター 遺伝資源部 主任研究員) 遠藤 圭太(林木育種センター 遺伝資源部 主任研究員) 弓野 奨(林木育種センター 遺伝資源部 遺伝資源管理係長) |
受賞要旨 |
絶滅危惧種である小笠原諸島の固有種のオガサワラグワは、近年個体数が激減しており、効果的な保全対策が急務となっている。受賞者らは、組織培養による多くのクローンの生息域外保存、小笠原村と連携した小笠原諸島返還50周年記念事業(2018年)での野生復帰試験地の造成、植物園等と連携した里親制度の導入、さらには、栄養体や種子の凍結保存技術の開発等を行い、当種の保全に大きく貢献した。 これらの功績は高く評価されるものである。 |
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