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1.受賞名 | 第14回日本木材学会論文賞(受賞日:2021年1月23日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
平野 優 (信州大学大学院総合工学系研究科) 武津 英太郎 (森林総合研究所林木育種センター) 小林 元 (信州大学農学部) 村岡 裕由 (岐阜大学流域圏科学研究センター) 沈 昱東 (秋田県立大学木材高度加工研究所) 安江 恒 (信州大学山岳科学研究拠点) |
3.受賞理由 |
中部地方におけるスギを研究材料に、年輪構造と気候要素との関係性を解析することにより、スギの年輪構造に及ぼす気候要素の影響を明らかにしたことが、高く評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
気候変動に伴って我が国では気温の上昇や降水日数の減少が予想されており、これらが樹木の樹幹部の成長に影響を及ぼす可能性があります。スギは日本の重要な造林樹種の一つであり、気候変動がスギの肥大成長へ及ぼす影響の評価が必要となります。 本研究では、中部地方におけるスギを研究材料に、年輪構造と気候の変化との関係を統計的に解析しました。その結果、春から初夏にかけて作られる早材と呼ばれる材の幅が、年輪全体の幅と重さとの関係性が高く、また早材の幅は3月〜4月の気温と関係性が高いことを明らかにしました。このことから、春の前半の気温上昇は、年輪幅と年輪重量の増加につながると考えられます。 平野優、他 (2019) 中部地方に生育するスギの年輪構造と気候要素との関係、日本木材学会誌 66:117–127 |
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