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1.受賞名 | 日本動物学会 Zoological Science Award(受賞日:2021年9月3日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
齋藤 武馬(山階鳥類研究所) 川上 和人(森林総合研究所) Yaroslav A Red’kin(モスクワ州立大学) 西海 功(国立科学博物館) Chang-Hoe Kim (韓国国立生態院) Alexey P Kryukov(ロシア科学アカデミー) |
3.受賞理由 |
絶滅の危機に瀕しているオガサワラカワラヒワが、従来考えられていたカワラヒワの亜種ではなく独立種であることを明らかにした。この成果が分類学上の一発見にとどまらず希少種の保全などの観点からも広く世間の注目を集めたことから、幅広い動物学への貢献が高く評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
小笠原諸島のオガサワラカワラヒワはカワラヒワの亜種とされてきた。しかし、カワラヒワの形態とDNAを網羅的に分析し、オガサワラカワラヒワが独自の形態を持ち、他亜種とは約106万年前に分岐した古い系統であることを明らかにし、独立種とすることを提唱した。この種はネズミ等の外来種の捕食などにより絶滅の危機にあるが、この研究が原動力の一つとなり保全対策が進められている。 Saitoh T, Kawakami K, Red'kin YA, Nishiumi I, Kim C-H & Kryukov AP (2020) Cryptic Speciation of the Oriental Greenfinch Chloris sinica on Oceanic Islands. Zoological Science 37: 280–294 |
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