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更新日:2021年11月19日

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2021年度 植生学会奨励賞(設樂 拓人)

1.受賞名 2021年度 植生学会奨励賞(受賞日:2021年10月16日)
2.受賞者の氏名、所属

設樂 拓人(多摩森林科学園)

3.受賞理由

種分布モデルを用いた氷期の遺存樹木の分布変遷過程の推定および植物社会学的研究が、日本の植生研究に大きく貢献するものとして評価された。

4.受賞対象研究の紹介

氷期の遺存樹木であるヤエガワカンバ(カバノキ科)とチョウセンゴヨウ(マツ科)を対象に、種分布モデルを用いて最終氷期最盛期(約2万2千年前)以降の分布変遷の推定とその気候的要因を明らかにした。種分布モデルを導入することで、これまで植物化石や花粉分析による断片的な情報から推測するしかなかった氷期の遺存樹木の分布変遷に理論的裏付けを与えた。また、これまで正確な分布域や生態学的な情報がほとんどなかったチョウセンミネバリ(カバノキ科)に着目し、本州中部山岳域におけるチョウセンミネバリが生育する群落の種組成の特徴を明らかにした。

【関連論文】

1) Shitara T., Suzuki S., Nakamura Y. Phytosociological study of Betula costata forests in central Honshu, Japan. Vegetation Science 38, 49–66 (2021).

DOI:10.15031/vegsci.38.49(外部サイトへリンク)

2) Shitara, T., Fukui, S., Matsui, T. et al. Climate change impacts on migration of Pinus koraiensis during the Quaternary using species distribution models. Plant Ecology 222, 843–859 (2021).

DOI:10.1007/s11258-021-01147-z(外部サイトへリンク)

3) Shitara, T., Nakamura, Y., Matsui, T. et al. Formation of disjunct plant distributions in Northeast Asia: a case study of Betula davurica using a species distribution model. Plant Ecology 219, 1105–1115 (2018).

DOI:10.1007/s11258-018-0862-y(外部サイトへリンク)

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