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1.受賞名 | 第11回日本生態学会奨励賞(鈴木賞)(受賞日:2023年3月21日) |
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2.受賞者の氏名、所属 |
森 英樹(樹木分子遺伝研究領域) |
3.受賞理由 |
木本つる性植物のクローン成長における生活史戦略を明らかにしたことが高く評価された。 |
4.受賞対象研究の紹介 |
つる植物における重要な生存戦略であるクローン成長の生活史戦略を明らかにした点が評価された。冷温帯林の代表的なつる植物種フジを対象に林分スケールで遺伝的構造を網羅的に解明し、つる植物のクローン成長は個体の定着や分布拡大だけでなく、微地形における空間分布特性にも影響することを林分スケールで初めて実証した。また、つる植物は種によって水平・垂直方向へのクローン成長を使い分けていることも初めて明らかにした。具体的には、種子から芽生えた後に水平成長して暗い林床で長期間生存(待機)し、その後に垂直成長に切り替える種(水平成長優先型)と、種子から芽生えた後に樹木を登攀し垂直成長を行い、明るい林冠部に到達し大型個体へと成長した後に、林床で匍匐枝による水平成長を行い個体増加する種(垂直成長優先型)に分けられ、種によって異なるクローン成長プロセスや生存戦略があることを初めて明らかにした。 |
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