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ホーム > 環境報告書2021目次 > 環境報告書2021-10 監事意見書

更新日:2021年9月30日

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10. 監事意見書

国立研究開発法人森林研究・整備機構「環境報告書2021」に対する意見書

令和3年9月27日

国立研究開発法人森林研究・整備機構
理事長 浅野 透 殿

国立研究開発法人森林研究・整備機構
監事 鈴木 直子
監事 高橋 正通

国立研究開発法人森林研究・整備機構「環境報告書2021」について評価した結果を報告します。

    1. 目的

    「環境情報の提供の促進等による特定事業者等の環境に配慮した事業活動の促進に関する法律(事業者の環境配慮促進法)」により作成された環境報告書について、独立した第三者として、その記載情報やその背景にある事業の結果について、適切な作成基準に従って作成されているかを中心として評価を行いました。

    2. 項目と方法

    事業者の環境配慮促進法、環境省「環境報告書に係る信頼性向上の手引き(第3版)」、及び環境省「環境報告ガイドライン 2018年度版」を参考にし、環境報告書に記載された環境情報や関連する取組内容について評価しました。

    3. 評価結果

    1) 森林研究・整備機構は「環境配慮基本方針」を定め、その達成のため「温室効果ガスの排出の抑制等のために実行すべき措置について定める実施計画」を策定し、環境活動の実施状況を点検・評価することにより、継続的に環境改善を図ることとしています。経営責任者の主導的関与および戦略的対応が認められます。
    2) 森林研究・整備機構は森林、林業、木材産業に係る研究を主導し、その専門性をいかして水源林造成業務や森林保険業務を行っています。これらの業務内容と国連の提唱するSDGsとの関係を具体的に示しており、適時性があり、簡潔明瞭な理解につながります。
    3) 森林研究・整備機構の事業活動は、森林生態系の保全、木質資源の持続的な供給と有効利用、水源林の造成、森林保険制度を通じ社会経済の発展と生活の向上をめざしています。その活動は、気候変動の緩和や生物多様性の保全、再生可能エネルギーの利用など環境配慮促進法の目的に合致するものです。これらの事業活動の最新の成果について、容易に理解できるように記載されています。
    4) 環境負荷軽減の取組は必要事項が網羅され、算定方法等検証可能な方法で忠実に表現され、期間を通じた比較できるようにまとめられています。
    5) 日本各地域で事業内容を公開する催しを行い、地域とのコミュニケーション確保をめざしています。新型コロナウイルスの影響で中止になった活動もありましたが、You Tube「森林総研チャンネル」を開設するなど、コロナウイルスの影響回避を図っています。
    6) 環境報告書は環境コミュニケーションのツールとして有効に活用すべきとされています。森林研究・整備機構の3事業(研究開発、水源林造成、森林保険)自体が社会の抱える環境問題解決に直結しています。事業報告書とは目的が異なりますが重複する部分が多くあります。バリューチェーン志向により事業の意義と報告書の役割を整理・連携し、国民やその他の利害関係者に対しよりアピールするよう効果的な活用を期待します。