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更新日:2018年6月25日

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場長挨拶

   国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所林木育種センター九州育種場のホームページへアクセスして頂きありがとうございます。
 林木育種センター九州育種場は、九州地域(沖縄を含む)において、林木の優良品種等の開発・普及、林木遺伝資源の収集・保存・評価等に取り組んでいる機関です。

 昭和32年(1957年)4月に九州林木育種場が設立され、60年が経過しました。1957年は、高度経済成長期に入りはじめた時期であり、林業生産力増強のための成長の良い品種の開発が最重要課題となっていた頃です。時代とともに、林木育種事業に求められることも多様化し、成長が良いだけでなく、成長・材質が良くかつ花粉量も少ない品種を開発・普及していくことが求められるようになりました。この60年間の品種改良の流れとしては、第一世代精英樹の選抜・検定を終了し、現在は、第二世代精英樹を選抜しつつあるところです。さらに第三世代精英樹の作出に向けての交配も行っています。そして、第二世代精英樹から主に選抜を行い、特定母樹(在来品種と比較して、成長が1.5倍以上、花粉量が半分以下、通直性が採材に支障のない程度、剛性が平均以上)の指定に向け、取り組んでいるところです。

 現在、九州育種場は、優良品種の開発・普及等に取り組んでいますが、優良品種を用いることで林業がどのように変わっていくのか、ということについてお話ししますと、成長に優れた優良品種を用いることにより、低コスト林業が可能になると期待されているのです。50年生スギ人工林の育林経費はha当たり114~245万円と言われていますが、この育林作業(地拵、植栽、下刈、除伐、間伐等の作業)コストのうち、約3割が下刈コストです。下刈が不要となる植栽木の樹高は約2mとも言われていますが、優良品種であれば、この下刈が不要となる樹高に早く到達しますので、下刈の回数を減らすことができます。これまでの種苗では、下刈不要の2mに到達するのに5年くらいかかっていたものが、優良品種では、2~3年で下刈不要の2mに到達することが、これまでの調査結果から判ってきています。

 成長に優れた優良品種を用いれば、林業の低コスト化が可能となり、林業の成長産業化に貢献することができるのではないかと考えています。また、その優良品種は、花粉量の少ない品種であるべきと考えます。林木育種事業60年の歩みを総括し、県、国有林、大学等と連携しつつ、成長等が優れた品種を開発・普及することにより、再造林が促進され、よりよい森林整備が行われていくことを期待しています。

 

       国立研究開発法人森林研究・整備機構           
森林総合研究所  林木育種センター九州育種場 
   場  長   佐藤 英章 

佐藤場長顔写真