林業の労働災害を減らすために

林業工学研究領域
収穫システム研究室 上村 巧
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林業の労働災害の現状

林業全体の労働災害の実数は減少傾向にありますが、労働者1,000人あた り1年間に発生する死傷者数を示す千人率の値をみると,30付近で横ばい状態にあり他の産業と比較しても高い水準にあります。林業労働者数は約7万人ですので、年間2100人の死傷者が労災として報告されていることになります。

千人率=1年間の死傷者数÷1年間の平均労働者数×1,000 

死傷者千人率

林業の労働災害による死亡者数は素材生産量と高い相関を持っています。

素材生産量と死亡者数の関係

素材生産量と林業労働災害死亡者数の関係 岡ら(2011)

今後、国内の木材自給率を上げることが目的とされていますが、これまでのように素材生産量増加にともなって、労働災害死亡者が増加しないような対策が求められます。

死亡者数の作業別割合の推移

林業労働災害死亡者数とその作業別割合 岡ら(2011)

高性能林業機械と呼ばれる機械が普及し始めてから、集材作業や造材作業における死亡者は減少傾向に有り、伐木作業の死亡者割合が増加傾向にあります。作業仕組みの変化や機械化により安全になった作業がある一方で、それらに取り残された作業が残されていることがわかります。


岡勝・中澤昌彦・佐々木達也・吉田智佳史・上村巧・鹿島潤・加藤隆(2011)高性能林業機械の導入後10年目における林業労働死亡災害の考察.森利学誌26(1):27~34.