間伐後の光環境予測


Can-Stand

広葉樹林化では、弱度の間伐を繰り返して慎重に光条件を制御する必要があります。そうしなければ、草本やササ・ツル植物が広葉樹以上に旺盛な成長を開始し、広葉樹の稚樹を覆い尽くしてしまうことでしょう。こうなると、目標林型への誘導は困難となります。

経験則では、GLI(ギャップ光指数)で15%から25%くらいの光環境に保つのが広葉樹林化には適しています。そこで、そのような光環境を創りだす間伐計画の樹立を支援するためにWindowsのアプリケーションCan-Standを開発しました。

図に、Can-Standを実際に使う流れを示します。こういった流れのトライアルを繰り返すことで、広葉樹林化に適した間伐計画を見出していくことができます。

しかし、これはあくまでもシミュレーションです。実際の施業にあたっては、常に林分の状態をモニタリングし、必要に応じて間伐の計画を見直していくPDCAサイクルが必要です。

①地形や緯度が光環境に大きく影響するので、まず対象林分の場所を指定。②林分情報を入力し、コンピュータ内に対象林分を再現する。③コンピュータ内で間伐を行なう。ここでは定性間伐と孔状の伐採を組み合わせてみている。④5年後の様子。間伐の痕が塞がってきており、その下は暗くなっていることが予想される。 ⑤全天空写真の撮影シミュレーションを行ない、光環境の指標(GLI)を計算する。⑥林内の光分布を推定し、広葉樹の成長に適した環境が創りだされているかどうかを確認する。

図 広葉樹林化のためのWindowsアプリケーションCan-Standを実行する流れ


使用にあたっての注意事項