間伐後の光環境予測
Can-Stand
- ダウンロード: CanStand.zip (25.6 MB)
広葉樹林化では、弱度の間伐を繰り返して慎重に光条件を制御する必要があります。そうしなければ、草本やササ・ツル植物が広葉樹以上に旺盛な成長を開始し、広葉樹の稚樹を覆い尽くしてしまうことでしょう。こうなると、目標林型への誘導は困難となります。
経験則では、GLI(ギャップ光指数)で15%から25%くらいの光環境に保つのが広葉樹林化には適しています。そこで、そのような光環境を創りだす間伐計画の樹立を支援するためにWindowsのアプリケーションCan-Standを開発しました。
図に、Can-Standを実際に使う流れを示します。こういった流れのトライアルを繰り返すことで、広葉樹林化に適した間伐計画を見出していくことができます。
しかし、これはあくまでもシミュレーションです。実際の施業にあたっては、常に林分の状態をモニタリングし、必要に応じて間伐の計画を見直していくPDCAサイクルが必要です。
図 広葉樹林化のためのWindowsアプリケーションCan-Standを実行する流れ
使用にあたっての注意事項
- このアプリケーションは、広葉樹の前生稚樹の成長に好適な光環境を創出する間伐パターンを探索することを目的としたツールです。
- 地域や気候帯にもよりますが、目安としてはGLI=20~35%の光環境が広葉樹の前生稚樹の成長に適していると考えられます。35%以上の光環境では、競合する植生の繁茂が広葉樹の成長を上回る可能性が高くなります。
- 骨子となるモデルは、岡山県林業試験場研究報告14巻p.1–49(1998年3月)、Forest ecology and management, vol. 126, p.309–319 (2000年2月)、およびForest ecology and management, vol. 149, p.129–140 (2001年8月)に掲載されたもので、その中から光環境を推定するルーチンまでをプログラム化しています。
- アプリケーションの仕様上、間伐後の上木の直径の成長予測も表示されますが、上記の事情によりその値は実用に適しません。このアプリケーションは、あくまでも人工林の下層に生育する広葉樹にとっての光環境を予測するためのツールです。