はじめに
本研究課題は、「攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業」(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)において実施されました。
研究目的
攻めの農林水産業では「林業の成長産業化」を目標とし、2020年までに国産材の供給力を倍増、毎年52万haの間伐を実施することを計画しています。その一方で、環境保全機能や広葉樹材生産機能などの「森林の多面的機能の発揮」に対するニーズも高くなっています。そこで本研究は、経済林として維持するのが困難と予想されるスギ・ヒノキ・カラマツなどの人工林を広葉樹林へと転換し(=広葉樹林化)、多面的機能を発揮させるための技術を開発し、体系化することを目的とします。
これまでに、広葉樹の若い稚樹を人工林に定着させるための要素技術の開発まで研究が進められてきました。解決すべき残された技術的課題は、(1) 広葉樹林化において妥当な目標林型を設定する技術、(2) 定着させた稚樹をもとに設定した目標林型へ誘導するための施業計画(間伐の強度や実施インターバル等)を設定する技術、(3) 広葉樹林化施業が周辺の健全な人工林に及ぼす病虫獣害のリスクを評価・予測する技術の3点で、さらに、これらを統合して1つの技術体系として確立することが必要です。
研究実施期間
- 平成26〜27年度(2年間)
参画機関
- (研)森林総合研究所
- 北海道立総合研究機構林業試験場
- 秋田県森林技術センター
- 山形県森林研究研修センター
- 新潟県森林研究所
- 富山県農林水産総合技術センター森林研究所
- 長野県林業総合センター
- 岐阜県森林研究所
- 和歌山県林業試験場
- 愛媛県農林水産研究所
- 新潟大学
- 静岡大学
- (株)森林再生システム
- 岐阜県立森林文化アカデミー