(研究資料)

林業試験場電算機プログラミング報告(10

理論分布のあてはめ(1)

 椎林俊昭

要旨

 林業のさまざまな現象を確率論的に説明しようとする場合に,よく理論分布がもちいられる。対象となる標本分布をある母集団分布(理論分布)で近似させることができれば森林において生起するさまざまな現象の理論づけが可能になろう。
 これまでの研究における例として,林分構造の推移を予測するための直径分布,天然生林内の稚樹の発生本数および動物個体数の生息密度などに適用されており,その適用範囲は多岐にわたっている。
 本報告の目的は,連続量および離散量の理論分布のパラメータ(母数)の推定とそれにもとづく期待頻度の計算にいたる“あてはめ”の計算処理について,そのプログラムとその使用方法を解説し,あわせて林業試験研究のためのいろいろな理論分布プログラムのパッケージ化を完成させることにある。なお,第1報で収録した理論分布は,連続量の正規分布,シャーリエA型分布,離散量のポアソン分布,シャーリエB型分布および負の二項分布の5種類である。

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