キリとポプラの葉肉細胞からのプロトプラストの分離

斎藤 明

   摘要

 屋外で育てられたキリとポプラの苗木の十分に展葉した比較 的若い葉を材料としてプロトプラスト離を試みた。葉を細断し,ペクチナーゼ,ヘミセルラーゼ, セルラーゼを含む酵素液にとりこみ,のもとで振盪した。酵素液はキリでは20分ごとに,ポプラで は30分ごとにとりかえられた。健全な細胞がキリでは40分後に,ポプラでは60分後に解離しはじめ た。この細胞を遠心分離によって回収し,その細胞壁を完全に溶かしこむために再び新しい酵素液 に懸濁し,30℃のもとで静置した。すると,球状のプロトプラストが得られた。キリのプロトプラ ストは直径40μで生重1gあたり700×104粒,ポプラプロトプラ ストは直径13μで生重1gあたり560〜1,200×104粒を単離できた。

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