(研究資料)

沖縄の森林土壌−土壌の分類,性質,立地条件,分布および植生

小島俊郎

   要旨

 この資料は、湿潤亜熱帯に位置する沖縄の主要な森林土壌 の分類,性質,主要な島々の地形・地質と分布との関係,植生などについてとりまとめたもので ある。
 土壌の分類は林野土壌分類(1975)17)によって行ったが,なおいくつ かの新しい土壌群ないし亜群を補足して暫定的に対処した。
 沖縄に分布する森林土壌は本土とは著しく異なり,赤・黄色土群に属する土壌がもっとも広く 分布し,暗赤色土群がこれに次ぎ,その他黒色土群,レンヂナ様土群,グライ土壌群および未熟 土群に属する土壌が出現していた。
 各土壌の代表的な断面として,赤・黄色土群(4亜群)36断面,暗赤色土群(2亜群)12断面, レンヂナ様土群6断面,計54断面について形態的な特徴および一般化学性を検討し,それぞれの特 性を明らかにした。
 また,主要な島々における地形・地質と関連した各土壌の分布状態,および主要な土壌群ない し亜群の土壌条件と関連性が深く,指標性の高い植生を明らかにするとともに,各土壌の生産力 および主要な造林樹種との関係について考察を行った。
 この資料は本研究半ばにして急逝された筆者の残した資料および断片的な遺稿を整理してとり まとめたものである。

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