(研究資料)

人工林の複層林施業に関する研究(T)

光環境の測定方法

複層林施業研究班

   要旨

 複層林施業においては,林内下層木の生長を文配する光環境の把握が 重要であり,簡便でしかも安定度の高い測定法の開発が望まれた。この研究では,全天写真利用およびジ アゾ感光紙利用による測定法の確立,さらには照度積分計の開発を重点として研究を進め,それぞれ実用 化の見通しを得た。
 全天写真利用の測定法では,撮影条件とその手順を明らかにし,画像解析装置(ビデオパターンアナライ ザー)による開空度測定法を検討した。さらに樹種,林齢,林分構造などの条件ごとの林内平均相対照度と 開空度との間に高い相関があることを確め,全天写真による林内照度測定法の実用化をはかった。
 また,これまでの照度計による林内照度測定法では,安定した値を得るに多数点の測定が必要であるが, メモリーオード(積分素子)を利用した照度積分計を三洋電機中央研究所の協力を得て開発し,従来よりも 短時間で正確な林内平均照度を測定することが可能となった。
 さらに,簡易で低廉な機器による測定法として,ジアゾ感光紙利用の測定法を検討した。トレーシングペー パーをずらし重ねた遮光板の下に感光紙をおく方法と,感光紙の小冊子を小穴のあいた容器に入れ,穴か ら感光させる方法とを検討したが,それぞれ日射量と感光紙の感光度合との間に密接な関係があることが 確められ,相対日射量の簡易な実用測器として利用できることを明らかにした。

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