流動パラフィン重層法による担子菌類の培養保存 第1報

小林 正

   要旨

 流動パラフィンを用いた菌株の保存法は細菌,酵母,カビ類について試みられており,長期 にわたって,菌株を生きた状態で保ち得る方法であることが知られている。ただし,担子菌類 については,わずかに外国における断片的な資料がみられるだけである。ここでは,担子菌 類に属する百数十種以上の木材腐朽菌等について,この保存法を適用し,多くの種類について 10年以上の長期間,菌株を生きた状態で保存できることを確認したので,その結果を報告 する。

全文情報(310KB)