アカマツ自然受粉家系における形質間の遺伝相関

明石孝輝

   要旨

 アカマツにおける形質間の遺伝相関,環境相関および表現型相関を,親子相関と 家系の共分散分析によって解析した。樹高と胸高直径との遺伝相関は各種の形質相互間の関係を調べた多くの事例で 認められた。また,胸高直径と仮道管長および胸高直径と木材の密度に関連する形質との遺伝相関が一部の事例で認 められた。遺伝相関と環境相関および表現型相関からみると,木材の密度に関連する形質は晩材率で代表されること が確かめられた。球果と種子の大きさに遺伝相関のあることが明らかにされた。表現型相関と遺伝相関は,複数の形 質を加味して選抜を行うさい,選抜指数の作成に用いられるものであり,本試験の結果はその目的に利用することが できる。

全文情報(1,053KB)

−林業試験場研究報告−(現森林総合研究所)
森林総合研究所ホームページへ