(研究資料)

針葉樹林のロータリー単板切削(第1報)

ニュージーランド産ラジアータマツ

木下敍幸,高野 勉

   要旨

 ニュージーランド産ラジアータマツのロータリー単板切削試験を行うこと により,単板品質と切削条件の関連を求め,高品質単板を得るための切削条件を明らかにした。単板品質の評 価指標として単板の厚さむら,裏割れ,面あらさを,切削条件として単板歩出し厚さ及び刃口水平方向間隔を 取り上げた。単板歩出し厚さは1.5oから7.5oまでのかなり広い範囲の条件を設定した。単板を表面材として 使用する場合,品質面から支障のない単板が得られる厚さの限界は3o程度以下で,単板厚さが厚くなると上記 3品質因子をすべて満足させることは難しくなる。単板厚さが4.5o以上になると,裏割れ率は50%以上になり, 面あらさについては切削方向と年輪走向方向との関係で順目切削になる単板部位では特に問題はないが,逆目 切削になる部分の面あらさは200μm以上の値を示し実用上問題になる。面あらさを低下させるためには刃口水 平方向間隔を85%程度以下に設定する必要があるが,刃口水平方向間隔を狭く設定することにより,1本の原本 を切削する過程で切削開始後の早い段階で得られる単板の厚さが薄くなる現象が起こり,単板の厚さむらの増 大をまねく結果となる。

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−森林総合研究所研究報告−
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