石井幸夫
多摩森林科学園サクラ保存林のサクラ約250品種のうち，開花結実樹齢に達した192品種について， 1981年から1986年の6年間開花期を調べた。その結果，保存林で春季の花が観察できるのは，2月下旬から5月上旬で，花数の最も多い時 期は4月中旬である。
遅咲きのものは，早咲きの品種に比較して開花日の年変動が小さく，開花後満開になるまでの期間も短い。開花期間は9日〜51日の品 種間変動がみられるが，大部分の品種は15日前後である。満開期間は4日〜12日の品種間変動がみられるが，7日前後の品種が最も多い。
次に，花弁数と開花期の関係を調べてみると，開花期は花弁数の増加にともない遅くなる傾向が認められる。
また，6年間の調査資料を基に，各品種の開花期の予測方法を検討した。その結果，開花期の予測は可能であると考えられる。
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−森林総合研究所研究報告−
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