(研究資料)

下北半島のヒバ老齢天然林樹体内における養分分布

後藤和秋,森麻須夫,佐々朋幸

   要旨

 ヒバは材質的に優れているという点で,古くからその有用性が高く評価 されてきた。また,今日では天然更新の対象樹種として適しているだけでなく, 各種抽出成分に富んでいるなどの理由から,再度脚光を浴びつつある。
 著者らは,ヒバを栄養生理学的側面から解析するため,まず樹体内における 養分濃度分布を調べることとした。
 その結果,以下に示す3点が明らかとなった。
 1)葉中のN,P濃 度は樹冠上部で高く,逆にCaO濃度は樹冠下部で高い。
 2)樹幹部のN,P, KO,CaO濃度は樹幹上部ほど高く,また,材部 と比較して樹皮部で高い。
 3)葉中のN,P, KO濃度はスギ,ヒノキ,カラマツ,アカマツなど と比較して低く,逆にCaO濃度は高い。

全文情報(631KB)

−森林総合研究所研究報告−
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