秋田地方における高齢級カラマツ林の成長

森麻須夫,大住克博

   要旨

 林齢18年から88年までの70年間にわたって,間伐と成長の経過が記録されてきた 高齢級のカラマツ人工林について成長解析を行った。最終調査を行った林齢88年生時の各試験区の林分の状況は,平均 樹高は29.5〜31.7m,平均胸高直径は37.3〜44.2p,幹材積合計は498〜689m/ha, 本数は240〜430本/haであった。林齢88年生時の総平均成長量は,9.13〜10.63m/ha で,この時点においても漸増または横ばいとなっていて,いまだに減少する傾向はみられなかった。これは,当地域に 適用されるカラマツの収穫表の総平均成長量が,40〜50年生時以降減少することと異なっていた。これらの林分の総成 長量の,径級別の各林木への配分比をみると,胸高直径38p以上の大径木の占める材積割合は,51年生から88年生に至 る間に,0〜3%から46〜63%へと増加していた。

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−森林総合研究所研究報告−
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