オイルパーム材の化学的特性(英文)

富村洋一

   摘要

 25年生マレーシア産オイルパーム材の樹幹部を,繊維 束部分と柔組織部分に分けて化学成分の特性を調べた。粉砕によりこの両者は容易に分ける ことができ,その割合は繊維部分が71〜76%,柔組織部分が24〜29%であった。柔組織部分 は多量の澱粉を含み,その割合は55.5%に達していた。糖組成は両部分ともキシロースとグ ルコースが主体であった。オイルパームのリグニンはp-オキシ安息香酸エステル構造を含 み,その量は柔組織のMWL(磨砕リグニン)では15%に達した。しかし,禾本科植物や草 本類によくみられるC-C のフェノール酸のエステル構造は含まれていなかった。MWL中には4〜5%の糖が含まれて いたが,これはアルカリ処理で消失することから,この糖もまたリグニンにエステル結合を していると推定された。

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−森林総合研究所研究報告−
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