プレスリリース
 

平成21年 2月27日

独立行政法人 森林総合研究所
 
「航空写真とGISを活用した松枯れピンポイント防除法」
公開シンポジウム開催のお知らせ
 

ポイント
 ・ 松枯れ被害木や、防除の必要なマツを的確に探し出す最先端の方法や、効率的な防除技術開発の状況を紹介する、公開シンポジウムを開催。   

 
 
概要

  独立行政法人森林総合研究所と農林水産省農林水産技術会議事務局は、3月5日に公開シンポジウム「航空写真とGISを活用した松枯れピンポイント防除法」を開催します。
  日本における激害型の松枯れは百年以上前に長崎で初めて確認されました。その後、約一世紀の間に、松枯れは西日本から北日本へと広がり、多くの松林が消滅しました。近年では、温暖化とともに被害地域がさらに北上して秋田・岩手に及んでいます。
  現在も、松枯れ被害の防除対策が全国的に実施されています。しかしながら、広大な森林の中に点在する被害木を見つけ、きめ細かな防除を行うということは未だ容易ではありません。そこで、森林総合研究所を中核とする研究グループは、平成18年度から、点在する被害木の位置をピンポイントで的確に把握し、効率的な防除を行うための研究プロジェクトに取り組んでいます。このシンポジウムでは、研究プロジェクトにおけるこれまでの研究成果や松枯れ被害に対する取り組みなどを発表します。

   予算:新たな農林水産政策を推進する実用技術開発事業
      (旧先端技術を活用した農林水産研究高度化事業)
      「航空写真とGISを活用した松くい虫ピンポイント防除法の開発(H18〜21)」

 

日 時: 2009年3月5日(木)13:15〜17:00 (受付12:45より)
会 場: 東京大学 弥生講堂 一条ホール
  地下鉄 南北線「東大前」駅下車 徒歩1分、千代田線「根津」駅下車 徒歩8分
プログラム: 別紙のチラシに掲載しています。
主 催: 独立行政法人森林総合研究所、農林水産省農林水産技術会議事務局
後 援: 林野庁
参加費: 無料(事前申込不要)
URL: http://www.ffpri.affrc.go.jp/symposium/FFPRI-ympo/2008/GIS/20090305GIS.html
 
 
問い合わせ先など

 独立行政法人 森林総合研究所  理事長 鈴木 和夫
 研究推進責任者: 森林総合研究所 研究コーディネータ 駒木 貴彰
 研究担当者  :

森林総合研究所 森林管理研究領域長 中北 理
  Tel:029-829-8312

 広報担当者  : 森林総合研究所 企画部 研究情報科長 中牟田 潔
  Tel:029-829-8130
  Fax:029-873-0844
 
 
研究開発の背景及び目的

  松枯れの実態は、マツノマダラカミキリを媒介者にしたマツノザイセンチュウによる激害型被害であることが、昭和46年に森林総合研究所によって明らかにされました。その成果を受けて、松枯れを防ぐために様々な対策が、これまでにも提唱されてきました。しかし、広大な森林の中から防除しなければならない木を発見することや、たとえ発見しても急傾斜地などに点在する樹木までたどり着いて防除を行うことが容易ではないという課題が残されてきました。
  この課題に対応するため、平成18年度から、森林総合研究所を中核とするグループにより、農林水産研究高度化事業プロジェクト「航空写真とGISを活用した松くい虫ピンポイント防除法の開発」が開始されました。

 
研究の経緯

  この研究プロジェクトは平成21年度まで続く予定ですが、これまでに最適な航空写真の撮影時期や、撮影した空中写真の処理方法、GPS、GIS技術を使うことにより、以下のことが可能になりました。すなわち(1)被害木の位置データを携帯可能な端末装置に入れ、誘導ナビゲーションとして活用することで、林内でマツの防除を行う作業班を迷うことなくすみやかに現地へ案内できるようになりました。また(2)山奥や人が容易に近づけない場所へは、自動操縦で防除が必要な木まで辿り着く無人ヘリコプターによる防除法を開発しました。

 
シンポジウムの内容

  本公開シンポジウムでは、これらの研究成果の報告を行うとともに、これまでの松枯れ被害に対する国の対策や、実際に防除作業を行っている自治体の取り組みを紹介致します。
  入場無料、事前の申し込みは不要です。

 
本研究の共同研究機関

  秋田県森林技術センター、岩手県林業技術センター、秋田県立大学、共立航空撮影(株)

 

 


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