プレスリリース

平成20年 9月24日


「環境保全に貢献するスーパー樹木の開発に向けて」
公開シンポジウム開催

                      独立行政法人 森林総合研究所


  地球温暖化軽減策の一つとして、森林の保全や植林による温室効果ガス削減目標の達成に期待が高まっています。地球上に広がる荒漠地や塩害地等への植林を進めるためには、環境の厳しい地域等でも生育できるストレス耐性や成長、エネルギー利用等で優れた形質を備えたスーパー樹木の開発が求められています。森林総合研究所は理化学研究所、東京大学等と共催で9月29日(月)に東京大学弥生講堂において「環境保全に貢献するスーパー樹木の開発に向けて」と題するシンポジウムを開催します。


日  時: 2008年9月29日(月)13:00~17:00
会  場:

東京大学弥生講堂・一条ホール
  (東京都文京区弥生1-1-1 東京大学農学部内)

主  催: 独立行政法人森林総合研究所
共  催:

理化学研究所植物科学研究センター、東京大学アジア生物資源環境研究センター

後  援: 林野庁、日本森林学会
参 加 費: 無料(事前登録制で定員を超え次第締め切ります)
U R L: http://www.ffpri.affrc.go.jp/symposium/superGMT/index.html

  FAOの「世界森林資源評価2005」によれば、世界の森林面積は2000年から2005年までに、わが国の国土面積の2割に相当する約730万haが毎年純減しており、地域別にはアフリカ、南米、東南アジア等の熱帯地域で減少傾向が続いています。世界の森林の減少・劣化は地球温暖化、生物多様性の減少、砂漠化の進行等、地球規模での環境問題をさらに深刻化させる恐れがあります。そのため、地球上に広がる荒漠地や塩害地、或いは森林減少の著しい開発途上地域等における荒廃地への植林活動等を通して、森林の回復・整備等で積極的な協力を推進することが重要です。
  京都議定書では、地球温暖化軽減策として、森林による二酸化炭素吸収量を温室効果ガス削減目標の達成手段として算入できるものとされたことから、森林の保全や植林が高く評価されています。2003年12月イタリアのミラノで開催された第9回気候変動枠組条約締約国会議(COP9)では、CO2吸収源として換算する植林に組換え樹木の使用が条件付きで認められました。こうした背景のもと、林野庁は2007年8月に、今後のわが国の遺伝子組換え技術の開発成果が国内外の環境保全や森林資源の充実等に活用されるよう、「森林・林業分野における遺伝子組換え技術に関する研究開発の今後の展開方向」をプレスリリースしています。
  地球温暖化軽減に貢献する組換え樹木の開発のためには、環境の厳しい地域等でも生育できるストレス耐性や成長、エネルギー利用等に優れた形質を備えたスーパー樹木の開発が求められており、そのためにはゲノム情報の基盤整備、乾燥耐性・耐塩性等環境ストレス耐性の付与技術、バイオマス生産を向上させるための成長制御技術、組換え体の実用化に向けた花成制御技術等が必要です。
  本シンポジウムでは、森林総合研究所、理化学研究所、東京大学、林野庁及び日本森林学会等が連携して環境保全に貢献するスーパー樹木の開発の現状と将来性について議論します。

【お問い合わせ先】
  運営責任者:独立行政法人森林総合研究所 
            研究コーディネータ  中島 清
              Tel:029-829-8216

  広報担当者:独立行政法人森林総合研究所 
            企画部研究情報科長  中牟田 潔
              Tel:029-829-8130

  
ポスター画像
ポスター画像はこちらから(PDFファイル:211KB)

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