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発行:農林水産省林野庁
森林総合研究所
研究の“森”から タイトル No.43
1995.12.20

樹木のならたけ病

-生物学的種の識別-

 「ならたけ病」は,キノコの仲間であるナラタケ属の菌が,若いヒノキやアカマツ,カラマツなど様々な樹木の根に感染し枯死させる病気です。ところが,ナラタケ属には多くの種類があり,種類によって菌の性質(キノコの形,病原性など)が異なると考えられています。つまり,ナラタケ属のすべての菌が,樹木を枯らす強力な力を持っているとは限らないようです。  したがって,ナラタケ属の菌を見つけたら,どの種類のものか識別することが必要です。

ナラタケ属のいろいろな種類のキノコ1

ナラタケ属のいろいろな種類のキノコ2

ナラタケ属のいろいろな種類のキノコ3

ナラタケ属のいろいろな種類のキノコ4

ナラタケ属のいろいろな種類のキノコ

ナラタケの種類分け
・ナラタケ属のキノコ(子実体)には形態がよく似ているものがあり,形態学的分類によって種を識別するには熟練が必要です。
・形態によらないグループ分けとしては,交配試験を用いる方法があり,これによって分けられたグループを生物学的種といいます。交配には「単胞子分離菌株」を用いますが,交配能力の劣化が早いので,常に新鮮な菌株が必要です。

DNA解析なら菌株の劣化にかかわらず菌のグループ分けができます。あらかじめ各生物学的種のDNA解析を行い,そのデータを蓄積しておいて,未同定菌株の解析結果と比較すればよいのです。

DNA解析の手順

生物学的種の判定と類縁関係の解析

 従来の方法にDNA解析を組み合わせることによって,ナラタケ病菌をより正確に,また効率的に識別できるようになります。現在,生物学的種間での病原性の違いを明らかにするため,接種試験による病原性や寄主特異性の検定を進めています。
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