![]() 発行:農林水産省林野庁 森林総合研究所 |
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No.63 1997.11.21 |
山村地域(ここでは山村振興法に指定された振興山村地域のことを指します,以下同じ)は日本の国土の約半分を占めています。しかし,そこには日本の人口の約4%しか住んでいません。そして,それら山村地域の人たちによって農林産物の生産,国土や自然環境の保全,レクリェーションの場の提供,伝統文化の継承といった私たちが暮らしていくうえで重要な役割が担われてきました(図1)。しかし,山村地域特有の厳しい自然,地形,地理的条件,農林業の不振,遅れる社会資本整備などにより,山村地域は人口の減少と高齢化が急速に進み,1995年には人口は60年の約6割の水準まで減少しています。また,65歳以上の高齢者割合も地域人口の24%を占めるまでになっています。
以下に,東北地方の山村地域に焦点を当てながら,新しいデータに基づきより詳しい山村の現状分析を行った結果と,今後の山村のあり方及び課題についての考察結果を紹介します。

高度経済成長期を通じて,北海道・中国・四国・九州地方では「挙家離村」の形で激しく人口が減少しました。一方,東北地方では男性が故郷に帰ってくることを前提に,家族を残して関東圏などに「出稼ぎ」にいっていたことから,また,関東・東山,北陸,東海及び近畿地方では「通勤兼業」化したことから,人口の流出が抑制され,人口減少の程度は比較的緩やかなものとなっていました(図2)。高度経済成長期以後,各山村とも人口減少の程度は緩和しましたが,特に東北地方では「出稼ぎ労働力」を目当てに弱電関係などの工場が地方都市に進出してくるなど雇用機会が増加し,「出稼ぎ」型から「通勤兼業」型に移行してきています。

このように,周辺地域からの労働力を吸収する能力を有する地方都市の通勤圏内に位置する山村は,そのような都市の通勤圏内にない山村と比較して人口減少の程度は緩やかなものとなっており,また,このような地方都市が東北,関東・東山,北陸,東海,近畿地方に多く,北海道,四国,九州地方に少ない現状にあることが図3から分かりました。

ところが,1990年以降の人口動向をみてみると,これまで人口減少が比較的緩やかだった東北地方で減少が激しくなってきています。これは,山村に残ったか,もしくは「出稼ぎ」をやめた親世代の,跡を継ぐべき子供たちが高校や大学に進学する際,都会に出ていってしまい,そのまま都会で就職し,定着してしまったことが原因の一つであることが分かりました。つまり,過疎化の新たな段階,第2段階に入ったといえます(図4)。

このまま推移すると,山村に住む人がいなくなり,森林や農地を適正に管理することができなくなるおそれがあります。このことに対処し,若者の定住を促進するため,山村地域の市町村は道路や下水道整備など生活条件の改善,企業誘致による雇用の場の確保等に努めてきました。さらに,山村地域に森林管理のための第3セクターを作り,森林管理の適正化と若年林業従事者の確保に努めたりもしています。しかしながら,これら対策を講じているにもかかわらず,山村地域に若者はなかなか帰ってきません。
今後の状況
都会に出ていった若年者を呼び戻すためには ↓ 1. 雇用の場の確保 山村地域のアイデンティティの確立と地方都市との連携強化 → 2. 生活環境の整備 交通・教育・医療条件などの改善 ↓ それぞれの山村地域にふさわしい独自のビジョンづくり及びその実行方策の検討
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