森林生物 キシャヤスデ


和名:キシャヤスデ
学名:Parafontaria laminata armigera VERHOEFF
    
分布:分布は中部山岳地帯。
 
写真(上):キシャヤスデ成虫
写真(下):1984年9月八ヶ岳周辺で撮影
キシャヤスデ成虫
説明
日本固有種。大発生して汽車を止めることがあるのでこの名が付いた。秋に大発生したキシャヤスデは土の中で越冬し,翌年,数百個の卵を産んで死ぬ。幼虫は土の中で生活し,年1回脱皮して7年後,つまり大発生から数えて8年目に成虫になる。8月末から10月にかけて,湿度の高い夜または曇りや小雨の日中に集団で地表を這い廻る。これはヤスデの集団見合いなのだが,ヤスデの異常発生として記録されてきた。八ヶ岳周辺では1976年に,乗鞍岳では1977年に,秩父・多摩地域では1980年に大発生した。これらの地域では8年毎にヤスデの群遊が報告されている。危害を加えると青酸ガスを出す。落ち葉や土を食べ,森林土壌の肥沃化に役立っている。近縁種として千葉,静岡両県にオビババヤスデ,北陸地方にトヤマキシャヤスデ,福井,岐阜,滋賀県にエチゼンキシャヤスデが分布する。
1984年9月八ヶ岳周辺で撮影

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