説明 ハルペラ目のハルペラ科に属する菌。ブユの幼虫の中腸に付着生活する糸状菌。枝分かれしない1本の菌糸が,中腸の壁に付着器で付着している。菌糸からは数個の「の」の字のような渦巻き状の胞子嚢が形成され,その中に,「の」の字型の胞子が1個入っている。この胞子嚢は菌糸から離脱して肛門から出て行き,次の感染源になる。菌は,寄主が成虫になると卵巣の中に休眠胞子を形成する。休眠胞子は卵の表面に付着した状態で産卵され,外界にでた休眠胞子は感染のための胞子を作る。その胞子を,孵化した幼虫が食べ,親から子に直接に感染が起きるようである。ブユの幼虫のHarpellaの感染率はとても高いことが知られていたが,このような生活環によるものと考えられている。 |