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更新日:2017年4月19日

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平成28年度森林内の放射性物質の分布状況調査結果について

森林総合研究所では、林野庁の委託事業により、福島県内の3町村(川内村、大玉村、只見町)に設置した4箇所6林分の試験地において森林の土壌や落葉層、樹木の葉や幹などの放射性セシウムの濃度とその蓄積量を毎年調べています。平成28年度の調査概要が本年3月24日に林野庁から公表されましたので、その概要についてお知らせします。

<結果の概要>

(1) 部位別の放射性セシウム濃度の変化について
葉や枝、樹皮など樹木の部位別の放射性セシウム濃度は、平成23年の調査開始以来、引き続き低下傾向にありました。また、木材内部の心材と辺材の放射性セシウム濃度は全般に低く、平成27年と比べて大きな変化は認められませんでした。落葉層も、平成27年と同様のセシウム濃度であり、葉や枝など他の部位より高い濃度となっています。土壌の濃度は、これまでと同様、表層土壌0~5cmの層が最も高く、5cmより深い層は下層にいくほど低下する傾向を示しました

(2) 森林全体の放射性セシウム蓄積量と分布の変化について
森林全体の放射性セシウム蓄積量は、いずれの調査地も変化の明瞭な傾向は認められませんでした。分布については、2011年から2012年にかけて樹木に蓄積する割合が減少して、落葉層や土壌に蓄積する割合が大幅に増加しましたが、2012年以降、2016年までの変化は小さなものでした。落葉層と土壌に分布する放射性セシウムの割合は、森林全体の95%以上となっていました。

以上のように、森林の放射性セシウム蓄積量の変化は小さく、かつ大部分が土壌表層付近に留まっていることや、渓流水中の放射性セシウム濃度の調査結果等から、放射性セシウムは森林内に留まり、森林外への流出量は少ないと考えられます。

詳細は、関連リンクのサイトを参照して下さい。

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