研究紹介 > トピックス > プレスリリース > プレスリリース 2023年 > イマーシブテクノロジーが叶える「デジタル森林浴」の研究成果および普及啓発の取り組みが「人間・環境学会(MERA)」学会賞を受賞
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2023年5月29日
フォレストデジタル株式会社
国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所
フォレストデジタル株式会社(本社:北海道十勝郡浦幌町、代表取締役CEO:辻木勇二、以下:フォレストデジタル)と国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所(茨城県つくば市、所長:浅野(中静) 透、以下:森林総合研究所)が実施した、空間型VR”uralaa(うらら)”の生理的・心理的回復効果を実証した共同研究および普及の取り組みが、独創性や、様々な課題解決の場面において活用できる可能性を秘めている点で「人間・環境学」の発展に直接・間接的に大きく寄与したと評価され、「人間・環境学会(MERA)」の学会賞を受賞いたしました(受賞日:2023年5月27日)。
(実験室︓映像・環境⾳・⾹りにより森林環境を再現。2021年2⽉、銀座にて)
フォレストデジタルと森林総合研究所チーム長の高山範理氏による研究チームは、⾵景・音・⾹りといった森林環境の有するアメニティを「デジタル森林浴」という形態で空間型VR”uralaa”によって屋内に再現し、心身に与える効果(「生理・心理的効果」)、各環境が備えている私たちの心身を回復してくれる特性(「回復特性」)の両面から、その効用を実証しました。
具体的には(1)「デジタル森林浴」の体験前後の「生理・心理的疲労回復効果」と、その原因となる「デジタル森林浴」の有する「回復特性」の特徴を明らかにしました。(2)また、これまで森林総合研究所が蓄積したリアルな森林環境の「心理的効果」および「回復特性」のデータと、「デジタル森林浴」で取得したそれぞれのデータを比較しました。その結果、「デジタル森林浴」 はリアルな森林環境と近く、人間の生理的・心理的状態を改善する効果があることが実証されました。また、そのような効果をもたらした原因として「デジタル森林浴」の環境がリアルな森林環境とかなり近い「回復特性」を備えていることが示されました。
(1)、(2)の成果は、人間・環境学の学術成果として心身の健康増進や地域の観光振興に資することが期待されるとともに、デジタル技術を用いた自然環境要素の都市部への導入促進に大いに貢献できる研究結果として着目されました。
具体的な生理的・心理的疲労回復効果として、副交感神経の上昇および⼼拍数の低下、気分の改善効果等が実証されました。
この「デジタル森林浴」の生理的・心理的疲労回復効果を確認した論文は、人間・ 環境系及び保健・衛生系の国際誌であるInternational Journal of Environmental Research and Public Health 誌(IF:4.614(掲載時))に、“Exploring the Physiological and Psychological Effects of Digital Shinrin-Yoku and Its Characteristics as a Restorative Environment(「デジタル森林浴」の生理・心理的効果と回復環境としての特性の探求)”として投稿し、原著論文として掲載 (2022年3月)されました。
本学会賞受賞までに、本論文は2,300回以上参照されるなど、人間・環境系分野における研究として関係者に大きなインパクトを与えています。
図1. 安静時とデジタル森林浴体験中の生理的効果の比較
図2. 「デジタル森林浴」体験前後の「気分」の比較
uralaa は、大型のマルチスクリーンによる映像やサラウンド音響システム、自然のアロマなどを用いて、あたかも森や自然の中にいるような「ひととき旅」体験ができる空間型VRです。
https://youtu.be/-KySO-3DvhA(外部サイトへリンク)
世界初の技術となる”クラウドを通じたマルチスクリーン映像による没入自然空間を再現”するプラットフォームの開発に成功しました。(2022年 当社調べ)
VRでありながら、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)など機器不要のため、老若男女どなたでも室内で没入体験ができるのが特徴です。
スマートフォンやタブレット端末で日本全国の美しい森や自然を自身で選択でき、演出した空間コンセプトの実現に貢献し、地域の魅力発信・活性化にも貢献いたします。
弊社独自の技術により多様な天井・壁のサイズに対応し、継ぎ目も違和感なく、自然空間に没入することができます。(※プロジェクター性能による制限有り)
常設施設だけでなく、イベント目的で期間限定での導入も可能です。
場所や用途に合った最適な導入をご提案しますので、お気軽にお問い合わせください。
「デジタル森林浴」の研究成果は林野庁が主宰する「Forest Style」のメールマガジンや森林総合研究所のプレスリリース等により情報発信され、新聞各社等様々な情報媒体に掲載されるなど、⼈間・環境学分野における産学官⺠連携の取り組みとして広く社会に広がっています。
フォレストデジタル株式会社は、これまで数多くの場所で地域の自然や歴史・文化の魅力を発信し、「時と場所を超えて自然の価値を共有」して参りました。本研究成果のエビデンスをもとに、「空間型VR ”uralaa”」は常設施設・イベント等の多様な形式で計17回採⽤され、採⽤していただいた企業の従業員やイベント体験者のウェルビーイングに貢献しています。
(常設施設 国内7箇所)
(イベント 随時開催)
環境デザインや行動科学に興味を持つ研究者・教育者・実務家によって構成された学際的研究会で、1982年に設立されました。本学会の研究活動は、講演と見学からなる研究会(年3回)、および、会員の研究発表の場としての大会(年1回)を中心として行っています。
学会賞の詳細は下記URLよりご覧ください。
森林総合研究所は、森林・林業・木材産業と林木育種分野を総合的に扱う我が国唯一の中核的な試験研究機関として、国や地方公共団体、他の独立行政法人、産業界など幅広い関係機関と緊密に連携しながら、政策課題の解決に積極的に貢献します。
2019年11月に北海道十勝で設立した「デジタル技術を用いて森や自然の価値を共有する」デジタル・ウェルビーイング企業。
「テクノロジーは私たちを幸せにしているのか」という問いに対する解を出すために、ヤフー出身者や十勝の林業家らが集まり創設。
2022年1月に、世界初の没入自然空間サービスuralaaを一般リリースし、20を超える企業と連携パートナーシップを締結。
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