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更新日:2010年5月14日

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森林の環境 Q6

  • Q6 : 地球環境問題の一つであるオゾン層破壊/紫外線増加が、今後森林に及ぼす影響はあるのでしょうか?
  • A6 : 太陽から放射される光線のなかで、紫外線の領域の光は、ときに有害な影響があると考えられています。地球を取り巻くオゾン層は有害な紫外線のうち、UV-Cの全部とUV-Bの一部を吸収し、地上への到達量を減少させ生物圏を紫外線の影響から守る機能を有しています。近年、フロンガスなどにより上層大気のオゾン層が破壊を受け、有害なUV-Bの地上への到達量が増加するという懸念が出てきました。観測でもオゾン層が破壊され、地上に到達する紫外線量が増えていることを示す結果が報告されています。このような環境の変化について、森林への影響はおそらく小さいか、あるいはほとんどないだろうと予想されます。その根拠として、オゾン全廃などの国際的な取り組みなどにより、オゾン層破壊の進行があまり遠くない将来に停止し、破壊前の元の状態に収束する可能性が出てきたこと、また植物には紫外線による遺伝子の損傷を修復する機能を備えており、増加されると予想される紫外線量の程度では、植物にはあまりダメージを与えないであろうと考えられることなどが挙げられます。現在よりも地上への紫外線量の到達が比較にならないほど多かった太古の年代をも生存してきた植物ゆえに、このたびのオゾン層破壊/紫外線量増加の程度なら容易に生存が可能であると考えてよいでしょう。
  • (気象環境研究領域)

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