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森林の水源かん養機能とは、森林の土壌が降水を一時的に貯留して洪水を緩和したり河川の流量を安定させたり、雨水が森林土壌を通過することにより水質が浄化する機能をさします。このような機能は、流域全体に良好な森林が成立してはじめて十分に発揮されます。
日本の森林は、第二次世界大戦から戦後の復興期にかけての過伐や乱伐、里山の耕地化等によって水源かん養機能が低下し、各地で渇水や洪水が発生しました。一方、拡大造林政策や荒廃地の緑化事業の推進により、森林資源の回復が進みましたが、外材の輸入自由化や材価の低迷等の影響によって林業経営が困難になり、間伐などの手入れが行われない人工林が目立つようになりました。この結果、日本の流域の森林資源が増加する一方、手入れ不足の人工林がもつ水源かん養機能の低下が危惧されるようになりました。
このため林野庁や都道府県では間伐を推進し、人工林の健全性回復に努めています。ただし、間伐をすると水源かん養機能がどう変わるのかを流域という大きなスケールで詳しく調べた例はこれまでほとんどありませんでした。そこで、森林総合研究所は秋田県森林技術センターと協力して、気象条件の大きく異なる非積雪地域と積雪地域の森林において、流域スケールで間伐による水流出の変化を明らかにしました。また、間伐などによる森林の変化が水流出に及ぼす影響がどのくらい続くかについて、森林総合研究所が70 年以上にわたり長期観測してきた流出量データをもとに調べました。
「森林と水の謎を解く」は森林総合研究所ホームページ上で公開しています。本冊子はその続編として、間伐が水流出に与える影響について最新の研究成果をまとめたものです。
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