パラグアイでの取り組み
目的・背景
REDD研究開発センターではパラグアイの森林炭素蓄積を推定し、MRVシステムを構築するため、同国の3機関と「パラグアイにおけるREDD+のための森林炭素モニタリング技術の開発」に関する共同研究を進めています。
パラグアイ側はアスンシオン国立大学農学部、国家林業院および環境庁の3機関で、2011年に森林総合研究所とMOUを締結しました。同国は国土面積が日本と同じくらいで、大西洋岸森林、セラード、パンタナール、湿潤チャコ、乾燥チャコの5生態領域に区分されることから森林タイプも比較的シンプルですが、同じ生態領域がブラジルやアルゼンチンにも広がっており、研究成果は周辺国に波及効果が高いと考えられます。
取り組み内容
アスンシオン国立大学農学部、国家林業院および環境庁はUN-REDDによるセーフガードを中心としたREDDプロジェクト、FAOによる国家森林モニタリングを実施する中心的役割を担っています。森林総合研究所のREDD+共同プロジェクトはこれら2つのプロジェクトとも連携し、より科学的でパラグアイに適用しやすい森林炭素蓄積推定方法の確立を目指しています。
リモートセンシングによる森林タイプの区分、タイプごとの森林の分布面積推定および森林面積の時系列変化の推定と、地上計測による森林タイプごとの平均炭素蓄積量の推定および精度高くバイオマスを推定するためにそれぞれの生態領域に適したアロメトリー式を開発しています。
また、研究成果を随時3機関の担当者に受け渡すとともにアスンシオン国立大学においてシンポジウムを開催し成果を公表しています。さらに、本プロジェクトのみでなく関連プロジェクトを担当している国家林業院および環境庁の技術者に対する人材育成トレーニングをアスンシオン大学の先生方と行っています。
今後の方針
太平洋岸森林は日本の照葉樹林に似て、クスノキ科、マメ科の常緑樹が主な構成樹種でアプローチも良く、調査は順調に進んでいます。これに対し、湿潤チャコ、乾燥チャコはアプローチが長く、落葉樹の占める割合が高くなります。雨期と乾期で着葉量に差があるため、衛星データの解析においてこの差を考慮した方法を開発する必要があります。
また、プロット調査はそれぞれの生態領域において30カ所を予定していますが、併行して行われる国家森林モニタリングのプロット調査結果も参照できるように、調査項目・方法の共通化を図ります。