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輸入クワガタに寄生して侵入する外来のダニに注意
 -見えざる外来種クワガタナカセの定着リスクを評価-

2008年1月18日掲載

論文名 Potential impacts on Japanese fauna of canestriniid mites (Acari: Astigmata) accidentally introduced with pet lucanid beetles from Southeast Asia (東南アジア産ペットクワガタと共に非意図的に導入されたクワガタナカセが日本のファウナに与える潜在的影響について)
著者(所属) 岡部 貴美子(森林昆虫研究領域)、五箇 公一(国立環境研究所)
掲載誌 Biodiversity and Conservation(生物多様性と保全、オランダ)、17巻1号、2008年1月
内容紹介  クワガタムシにはクワガタナカセと呼ばれる種特異的なダニが寄生します。東南アジアから輸入されるクワガタムシにも寄生していますが、体長0.5mm以下のため肉眼では発見しにくく、非意図的に侵入してくる“見えざる外来種”となっています。東南アジアのクワガタナカセが日本に定着する危険性を評価するために、東南アジアと日本のクワガタナカセは別種であること、東南アジアのクワガタナカセは今のところ日本国内には定着していないこと、および、発育できる温度条件から定着することが可能であることを明らかにしました。これらのことから、飼育下のクワガタムシを安易に野外に持ち出したり、放ったりしないことが重要であるとともに、見えざる外来種を監視する新たな検疫システムが必要であると考えられます。

 

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