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少雪化にともなって高山の湿原が縮小? 

2008年9月10日掲載

論文名 オルソ化航空写真の年代間比較による山地湿原の植生変化の検出
著者(所属) 安田 正次(植物生態研究領域)、大丸 裕武(水土保全研究領域)、沖津 進(千葉大学大学院園芸学研究科)
掲載誌 地理学評論 80巻13号、2007年11月
内容紹介  本研究では、群馬・新潟の県境に位置する平ヶ岳の山地湿原の面積が縮小しつつあることを定量的に明らかにしました。奥只見・奥利根地方は山地湿原が豊富なことで知られていますが、その中心に位置する平ヶ岳湿原を対象に、図化ソフトを用いて歪みを取り除いた航空写真を用いて面積変化を検出したところ、1971年から2004年までの33年の間に、約10%と急激に減少していることが明らかになりました。この地域の湿原は近年縮小していると言われていたものの、実際に検証されていませんでした。そのため、定量的な減少を明らかにした本成果は貴重であると考えられます。さらに、この湿原の植生調査を行った結果、チシマザサが侵入していることが明らかになりました。気象資料を用いてその原因を検討したところ、湿原の生成・維持に影響を与える積雪量が近年減少して湿原の乾燥化を招き、湿原が縮小しつつあると考えられました。これらの成果は、近年の気候変化による日本の自然生態系への影響を検出した数少ない事例です。気候変動は地球規模で進行しているので、国際的な研究協力やモニタリングを行うことが重要です。

 

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